第25話(1/2)

 「鈴木専務。あの、この書類の―—」


 「・・・・」


 「鈴木専務!」


 「えっ。あ、はい?」


 ここ最近、珍しく鈴木専務が凡ミスを連発している。

 まだ、大きなミスにはなっていないが、この調子が続いてしまうと、いずれ大きなミスをしてしまうだろう。


 「鈴木専務。飲みに行きましょう」


 「・・・・ごめんなさい。今はそんな気分じゃないの」


 断られてしまった。が、ここで引き下がろうとはしなかった。

 明らかに何かを悩んでいる様子の上司。

 その悩みを聞くのも部下である俺の仕事であると思ったからである。


 「どんな愚痴でも聞くんで、仕事が終わったら飲みに行きましょう」


 「そこまで言うなら、分かったわ。飲みに行きましょう」

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