第23話

 無事に見学と商談が終わり、商談の後に美味しいものを食べて、現在、帰宅の新幹線の中。

 

 ・・・そろそろいいかもしれない。

 仕事も安定した。

 約束通り橋本さんに、帰ったら告白しよう。


 そう思っていたら、いつの間にかウトウトして、気づかなうちに寝てしまった。


 

 隣の席にて。


 ・・・何も進展が起こらないまま、出張が終わってしまった。

 隣の席を見ると、中谷はウトウトとしている。

 

 どうすれば、振り向いてもらえるのかを必死に考えた。

 

 「えっ」


 いきなり、中谷の頭が私の肩に乗ったのだ。


 少し、重い。が、全然嫌じゃない。

 今の気持ちをなんて言い表したらいいものか。

 

 もうちょっとだけ、長くこの状態のままでいたい。


 私はできる限り、じっとして体制をキープした。だが、そんな努力は虚しく、すぐに終わってしまう。


 「・・・・えっ?」


 いきなり、現れた女性が、中谷の首にU型の枕をつけて、姿勢を戻した。


 「誰ですか?あなた」


 「私は、先輩の婚約者(仮)です」

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