第6話

 「ずっと。先輩の事が好きだったんです。だから、先輩。いきなりで、申し訳ないんですが、私とお付き合いさせていただけませんでしょうか?」


 「・・・・・・」


 まさか、五歳も年下である元後輩から、付き合いたいと言われるとは思わなかった。

 俺は、少し考えて返事を出した。答えは・・・。


 「悪い。付き合えない」


 「・・・なんでですか!」


 よっぽど自信があったのか、俺の返事に驚く、橋本さん。

 

 「何が原因なんですか。私は、中谷さんの為におしゃれや、化粧を覚えたのに・・・」


 泣き始める、橋本さん。

 俺として、こんな美女から付き合いたいと言われて嬉しい。が、俺は、定職についていない、フリータ。橋本さんと釣り合うはずがない。だから、今回の話は丁重にお断りさして・・・。


 「あっ。もしかして、の事を引きずっているんですか?大丈夫です。私、夜の勉強もしっかりしました。実践は初めてになりますけど、絶対に先輩を満足させて・・・」


 まだ、早い時間であった為、店に人は少なったが、わずかにいたお客さんで飲んでいたものを盛大に口から吹いてしまっている。


 「橋本さん。落ち着いて、他のお客さんもいるから」


 「///!!!すいません」


 店内にいるお客さん謝る橋本さん。

 

 「おい、彼氏さんよ!こんな可愛い彼女さんを泣かすなよ」


 何故か、俺が他のお客さんからバッシングを受ける事になってしまった。 

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