第1話(2/2)
居酒屋で、ジュースを飲みながら友人を待つ。
友人が来る前から、出来上がってしまうのは良くないのでジュースだ。
少しして、友人が居酒屋来た。
「忠司社長。お疲れ様です」
「よせよ、社長なんて。俺とお前の中じゃないか。それともアレか?この前の話オーケーってことか」
友人の名は
高校時代からの友人であり、忠司が起業して社長になった今でも酒を一緒に飲む仲である。
「いやなぁ。なんて言うか、当分はこのままの生活でいいと思って」
忠司は俺が無職になったのを知って、うちの会社に来ないかと誘って来てくれているのだ。
「まぁ、分かるよ。ブラック企業に三年も務めたんだ。当分は会社に通いたくなくなるさ。俺は、お前の脳力を買ってるからうちの会社に入りたくなったらいつでも声をかけてくれよ」
なんて、心の優しい友人を俺は持ってたんだ。
そんな風に感動していると。
「そういえば、お前彼女に捨てられたんだってな」
うぐぅ!
今、心の優しい友人と思ったばかりなのに、心の傷をいきなりえぐってきた。
「聞いたぞ。仕事なくなって彼女の紐になろうとしたんだってな。この話嘘だろ」
「・・・あぁ、嘘だ」
俺の元彼女は会社が潰れたのと同時に、あなたとこれから一緒に生きていくなんて将来が不安だと言って別れようと言い出してきた。
すぐに再就職先を探すと言っていたのに。元彼女は聞く耳を持たなかった。これは後で知った話だが、俺の他にもう一人男がいたのだとか。
まぁ、仕方なったと言えばそうだ。仕事ばかりであまり彼女に構ってあげれてなあった俺に原因がある。だけど、嘘の噂を流すのは少しひどいと思う。
「だと思ったよ。お前の会社倒産した時はすぐに再就職しようとして焦ってたもんな」
「・・・もうこの話はやめよう。酒が美味しくなくなる」
「ごめんごめん。事実だけ聞いときたくてさ」
それから、二時間弱友人と楽しく酒を飲んだ。
少し離れた席から。
「・・・彼女に捨てられた・・・先輩可哀そうに・・・・」
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