第262話 一休み
翌日の朝、私はお腹の張りで目を覚ますという情けない状態だった。
「うぅ...まだ苦しい...」
私は食卓に突っ伏して喘いでいた。
「フンだ! そういうの自業自得って言うんだよ!」
「うぅ...ルキノちゃんが冷たい...」
「フンだ! ルキノを置いて美味しいもの食べに行ったりするからバチが当たったんだよ!」
「それはもう何度も謝ったじゃないですか~...ちゃんとお土産も買って来たでしょう~」
「フンだ! そんなもんで誤魔化されたりしないんだからね!」
「うぅ...」
「ルキノ、その辺りにしときなさい」
「フンだ! ママも同罪だよ!」
「全くもう...しょうがない子ね...カリナさん、おはようございます。なにか...食べられそうにないですね...コーヒーでも入れますか?」
「お願いします...ってか、アスカさんは元気ですね...」
「腹八分目にしておきましたから」
「さすがです...」
その時、ステラさんとセリカさんも起き出して来た。
「ウプッ...く、苦しい...」
「ウゲッ...た、食べ物の匂いは勘弁して...」
今現在、プンスカ状態のルキノちゃんが一人で朝食を摂っている状況だ。いつもなら香ばしいトーストやベーコンの匂いが鼻に付く。ウプッ!
私達ってホント進歩しないよね...
「お二人共コーヒーだけで良さそうですね?」
「はい、すいません...」
「お世話になります...」
「ラウムさんはまだのようですね?」
「昨日はしこたま飲んでましたからね。無理もないでしょう」
「えぇ、今日は使い物にならないでしょうね」
「という訳で、今日は一日のんびりすることにしましょうか?」
「賛成~」
「異議な~し」
「あ、ところでカリナさん。地竜はその後どうなりました?」
「待って下さい。あぁ、やっと大人しくなったようです。寝てるのかな? なんか丸くなってますね」
「そうですか」
「さすがに巨大モグラと違ってしぶといみたいですね」
「あの時は半日くらいで餓死しましたもんね」
「そりゃあなんて言ったって竜なんだから当然でしょう」
私達がそんな会話を交わしている間、三人分のコーヒーを入れてくれたアスカさんがやって来てこう問い掛けた。
「ところでカリナさん、これからどうします? 予定通りダンジョンに潜りますか? ダンジョンに行っても地竜ほどの大物にはお目に掛かれないと思いますけど?」
「そうですね...取り敢えずは地竜がくたばるのを待って、ギルドで換金してから考えましょうか? ギルドマスターはかなり色を付けてくれるって言ってたし」
全員が頷いた。
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