第261話 懲りない面々2
王都への帰路に就いた私達は、歩きながら今日の戦いの感想を述べ合っていたが、不意にステラさんがなにかに気付いたようにこう聞いて来た。
「あ、カリナさん。ちょっと教えて下さい。ダンジョンのフロアボスである巨大モグラを倒した時、今回の手を使わなかった理由はなんですか?」
「あぁ、あれは一重にダンジョンの中だったからです」
「と言いますと?」
「ダンジョンの中って、なんというか独特なルールみたいなものがありますよね? まさに巨大モグラを倒した時がそうなんですが、一度フロアボスの部屋に入ってしまったら、フロアボスを倒さない限り扉が開かないとか」
「はい、そうでしたね」
「だからもしかしたら、私の亜空間の中で餓死させたとしても扉が開かないんじゃないかなって思ったんですよ。あくまでもダンジョンの中で倒す必要があるんじゃないかって」
「あぁ、なるほど。そういうことでしたか」
「いや実際にどうだったのかは分かりませんよ? 場所がどこだろうと、結局は倒してしまえば良かっただけかも知れませんし。ただあの時の私はそう思っていなかったということに尽きますね」
「理解しました。ありがとうございます」
「なんだか凄い会話だな...倒すことは確定になってる...」
そこでラウムさんがしみじみとそう言った。
「有り得ないですよね...もはや倒すのは前提で倒し方を選べるなんて...」
アスカさんも続いた。
「改めてとんでもないパーティーに入った気がする...」
そうなのかな? なんかそういう風に言われても実感湧かないよね。実際、ダンジョンでは死に掛けた私達だし。
私とステラさん、セリカさんは顔を見合せて肩を竦めた。
「ちなみにカリナさん、地竜をずっと閉じ込めていて本当に大丈夫なんですか? なんともないんですか?」
アスカさんが心配そうに聞いて来る。
「えぇ、いったん収納してしまえば以降は魔力を使う必要がありませんから大丈夫です」
「そういうもんなんですね...本当に凄いですねぇ...」
いやぁ、それ程でも~
◇◇◇
そんなことを話してる内に王都へ着いた。
「お疲れ様でした。ちなみに皆さん、それぞれの用事は済んでますか?」
「私とアスカの方は終わってる」
「私はもうちょっとメニューを増やしておきたいです」
「分かりました。それじゃあセリカさん、この後はみんなで行きましょうか。皆さんもお腹空いてますよね?」
「「「 賛成~! 」」」
この後めっちゃ爆食いした私達は、またしても翌日食い過ぎで苦しむことになるのだった...
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