第260話 後処理続き

「カリナさん! 凄いです!」


「さすがは我がパーティーの頼りになるリーダーですね!」


 セリカさんとアスカさんが持ち上げて来る。なんか照れちゃうね。


「カリナ、あんな巨体を収納して大丈夫なのか!? 魔力切れを起こしたりしてないのか!?」


 ラウムさんは心配そうに聞いて来た。まぁ無理もないか。そりゃ気になるよね。


「大丈夫です。さすがにあんな巨大なものを収納するのは初めてだったんで、最初に亜空間を開いた時、ゴッソリと魔力を持っていかれました。ちょっとクラッと来ましたが、もう回復したんで平気です」 


「そうか、それならいいんだが無理だけはするなよ?」


「ありがとうございます」


 そこへ飛んでいたステラさんが戻って来た。ちなみにちゃんと服は着ている。


「いやぁ、上空から見てたらいきなり地竜が影も形もなくなったんでビックリしましたよ。すぐにカリナさんが収納したんだなって気付きましたけど。それにしてもさすがですね。あんな巨体を一瞬で消しちゃうんですから。なんかイリュージョンを見てるみたいでしたよ」


「アハハ、それでショーにでも出ればお金を稼げるかも知れないですね」


 アスカさんのその一言で場がすっかり和やかになった。


「君達、本当に良くやってくれた」


 そこへギルドマスターがやって来た。


「お陰で王都は救われたよ。ありがとう」


「どういたしまして」


「おおっぴらに地竜を倒したと言えない所がなんとも擬しい限りではあるが」


「まぁ実際の所、まだ倒してないですからね。地竜は亜空間の中で元気に暴れ回ってますし」


「ハハハ、確かにそうだな。そうそう、地竜が飢えてくたばったらギルドで買い取りたい。たっぷりと色を付けるから。どうかな?」


「はい、是非ともお願いします」


「良かった。それじゃあ先に戻るとしようか。おい、アレックス! 撤収作業は任せたぞ!」


「おう! 任された!」


 現在、冒険者達と騎士団達は地竜との戦いで荒れてしまった街道を整備している。


「おい、カリナ! お前さん最高だぜ! これからもなんかあったらよろしくな!」


「はい、こちらこそ」


 私は苦笑しながらそう答えた。


「カリナ嬢、我が騎士団を代表してお礼を言わせて欲しい。本当にありがとう。あなたは王都を救ったヒーローだ」


「いえいえ、そんな恐れ多い...」


 私は恐縮しながらそう答えた。


「本当は大々的に公表して凱旋パレードでもやりたい所なんだが...」


「いやいや、それは謹んで遠慮させて頂きます」


 私は慌ててそう言った。やだよ! そんな悪目立ちすんの! ゴメン被りたい!


「そうか。済まないな。それじゃあまた機会があったら共に戦おう」


「はい」


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