第192話 ダンジョン攻略33
「な、なんでしょう...この揺れは...」
「なにか大きな物が地面の下を這っているような...」
「フロアボスはデッカいモグラでしたっけ。地面を掘り進んでいるんですかね」
そんなことを言っていた矢先だった。いきなり部屋の奥にある祭壇らしき物が上に吹っ飛んだ。そして地面から這い上がって来たのは...
「ズモゥッ!」
確かに巨大なモグラだった。デッカいとは聞いていたけど、これはまさに規格外の大きさだ。全長約10mくらいはあるんじゃなかろうか。物凄い迫力で私達を睥睨している。
「こ、こんなにデッカいだなんて...」
「こ、怖過ぎです...」
するとモグラが地面に潜って突進して来た。
「取り敢えず避難しましょうか」
地面がグラグラ揺れて足元が覚束ない。私はお二人を亜空間に引っ張り込んだ。
「帰りましょう! 一目見たんだからもういいでしょ!? あんなの戦えませんよ! どうやって倒せばいいのか見当もつきません!」
「ステラさんに激しく同意します! あれはもう災害レベルですよ!」
「まぁまぁ、お二人とも落ち着いて。当初の予定通り、戦うとか倒すとかは想定してませんから安心して下さいな。でもちょっとだけ、この黒い剣が通用するかだけ試してみてもいいでしょう?」
「まぁそれくらいなら...」
「でも十分注意して下さいね...」
お二人から許可が出たんで、私は巨大モグラに亜空間から近付いて行った。
「中々地面から顔出さないな...」
ちょっとでも地面から出てくれたら、黒い剣の斬れ味を確かめられるのに。
「仕方ない。誘き出すか」
私は亜空間から出て地面を走ってみた。すると案の定、私の足音に反応したのか巨大モグラが近寄って来た。
「良し良し。釣れた」
巨大モグラが地中から鋭い爪で私を狙う刹那、亜空間に避難した私はちょっとだけ出て来た巨大モグラの顔に黒い剣を突き立てた。
ガキインッ!
黒い剣は巨大モグラの硬そうな体毛に弾かれた。
「ありゃ、ダメか。この剣が通用しない相手は初めてだな」
私はお二人の所に戻った。
「いやぁ、硬い硬い! 歯が立ちませんね。帰りましょうか」
「見ててヒヤヒヤしましたよ...」
「カリナさん、自分を大事にして下さいね...」
「あぁ、ご心配をお掛けして申し訳ありません。もう十分ですので。それじゃあセリカさん、瞬間移動をお願いしますね?」
「分かりました! エイッ!」
シーン...
「あ、あれ!? おかしいな...もう一度、エイッ!」
シーン×2...
「えぇっ!? な、なんで!?」
もしかして瞬間移動が作動しない!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます