第183話 ダンジョン攻略24

「亜空間から出ないならいいですけど、そもそも当たるんですか?」


「うぐっ...が、頑張ります...」


 まぁ普通の腕があれば爆弾岩に当てるのは難しくないよね。なにせ岩の直径は約2mほどもある大岩なんだから。


 セリカさんの弓矢だけを亜空間から出した。


「エイッ!」


 スカッ!


 ...うん、分かってた...セリカさんのポンコツ振りは普通じゃないってことは...逆にどう射ったらあんな大きな的を外せるんだろうね...


 セリカさんをどういう風に弄ってやろうかと思っていた時だった。矢が当たっていないはずの爆弾岩の一つが、いきなり赤くなって大きく膨らみ始めた。


 そして爆発した。


「ウッヒャアッ!」


 セリカさんが出していた手を慌てて引っ込める。爆発岩の破裂した威力は凄まじく、辺り一面に細かくなった岩が乱れ飛んだ。


 それだけでは留まらず、近くにあった爆弾岩が次々と誘爆し始めて、あっという間に辺りは岩だらけになってしまった。


「当たってなかったのに...」


「当たらなくても爆弾岩が攻撃されたと判断した場合には、すぐに自爆するような仕様になっているんですよ...」


「そうなんですね...しかし、ああやって次々と誘爆されたら避けようがありませんよね...」


「えぇ、だから触らぬ神に祟り無しなんですよ...」


「良く分かりました...セリカさん、もういいですよね?」


 セリカさんの返事が無い。どうしたんだ?


「セリカさん?」


「こ、腰が抜けた...」


 ダメだこのポンコツ...早い所どうにかしないと...



◇◇◇



「うん? あれはなんですか?」


 またしばらく進むと、前方にデッカいトカゲみたいな魔物が現れた。


「あれは...サラマンダーです! 火を吹いて攻撃して来ますんで注意して下さい!」


 そりゃマズい! 私は有無を言わさずお二人を亜空間に引っ張り込んだ。私達が亜空間に避難した刹那、さっきまで私達の居た場所が炎に包まれた。


「うわぉ...凄い火力ですね...」


 ダンジョンの壁が真っ黒に焦げてしまった。


「えぇ、でも火炎攻撃さえ躱せれば、あまり素早く動ける魔物じゃないんで比較的倒し易いんですよ」


「そうなんですね」


 私は亜空間を通ってサラマンダーの真上に移動した。長い尻尾まで含めたら全長約5mくらいのトカゲかな。ウロコが真っ赤に染まっている。


 うん、確かに動きは鈍そうだな。私は黒い剣をサラマンダーの頭に突き刺した。サラマンダーは声を上げることなく絶命したらしい。赤かったウロコが黒く変色した。


「倒しましたんで解体をお願いしますね」


「なんとも呆気ない...」


「さすがはカリナさんです...」


 いやぁ~ それ程でも~

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