第182話 ダンジョン攻略23

 次の日、目覚めた私達はお互いの体調を気遣った。


「ステラさん、具合はどうですか?」


「えぇ、もう快調です。カリナさんは?」


「私も平気です。セリカさんは?」


「はい、私も大丈夫です」 


「良かった。さて、これからなんですが」


 私はお二人を見詰めた後、徐にこう言った。


「先に進みますか? 引き返しますか?」


 お二人は沈黙した。やがて、


「私は...ここまで来られただけで十分だと思います」


 セリカさんがそう言った。


「...まず謝らせて下さい。私の我が儘でお二人をダンジョンまで連れて来た上、命の危険にまで晒してしまって本当に申し訳ありませんでした...」


 ステラさんは深く頭を下げた。


「私はお二人の意志に従います...」


「ステラさん、顔を上げて下さい。ダンジョンに挑戦すると決めたのは全員の意志なんですから、誰も悪くありませんよ」


「カリナさん、ありがとうございます...」


「では引き返しましょうか。私もそろそろお日様の光が恋しくなって来ました」


 私達は地上に引き返すことにした。


 亜空間から出て、リッチやアンデッド軍団と戦った部屋というか空間に戻る。


「あれ? 確かこの辺に通路がありましたよね?」


 私はここまでやって来た通路があったはずの場所を指差す。


「えぇ、そのはずですが...」


「も、もしかして...通路が塞がれたんじゃあ...」


 私達は全員目を合わせた。


「帰さないってことですか...」


 なんだかダンジョンの意志みたいなのを感じてちょっと怖くなった...


「先に進むしかないようですね...」


「だ、大丈夫でしょうか...」


「あ、見て下さい。昨日は無かった階段があんな所に」


 部屋というか空間の奥に、昨日までは無かった階段が口を開いていた。


「行くしかないようですね」


 私達は階段を降りて行った。



◇◇◇



~ ダンジョン9階層目 ~


「ここはまた通常のダンジョンに戻りましたね」


 8階層目と違って明るいのは助かる。


「えぇ、ただしこの階層にも魔法を使う魔物が出ますんで注意して下さいね」


「了解です」


「わ、分かりました」


 やがてしばらく歩くと、


「あれはなんでしょうか?」


 前方に丸い岩のような物が転がっている。


「あれは...触らないで下さい! 爆弾岩です!」


 ステラさんが叫ぶ。


「ば、爆弾岩!?」 


「な、なんて物騒な名前...」


 爆弾岩はコロコロと転がりながら近付いて来る。


「と、取り敢えず亜空間へ!」


 私はお二人を亜空間に引っ張り込んだ。


「このままやり過ごしましょう」


 爆弾岩はコロコロと転がって行った。


「あの...ちょっとだけ攻撃してもいいですか? どんな風に爆発するのか見てみたいっていうか...」


 セリカさんが好奇心丸出しと言った顔でそう言った。

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