第181話 ダンジョン攻略22

「残るはリッチだけですね」


「今度こそ...今度こそ当てて見せます!」


「あぁ、セリカさん。気合い入れてるところ申し訳ないんですが、今度は私がやってみますんでちょっと見てて下さいな」


「えっ!? カリナさんが!? どうやるんですか!?」


「ちょっと考えていることがあるんですよ」


 私は亜空間を通ってリッチの真上に移動した。そして狙いを付けて黒い剣をリッチに向けて投げ付けた。


「ヒョオゥ!?」


 狙いは違わずリッチの頭部に命中した。黒い剣はそのままリッチの体を貫いて行った。リッチは間抜けな声を上げたっきり動かなくなった。


「へっ!? あ、あれ!? か、勝った!?」


「カリナさん、お見事です...」


「ステラさん、動いて大丈夫なんですか?」


「えぇ、もう平気です。早速、戦果の確認と行きましょうか」


 私達は亜空間から外に出た。



◇◇◇



「これは...ドロップアイテムですね」


 ステラさんがリッチの持っていた杖を掲げる。

 

「す、ステラさん!? そ、それって呪われてたりしませんか!?」


 だって杖の先に小さいドクロが付いてんだよ! 禍々しさが半端ないって!


「う~ん...持っただけだとそんな感じはしないんですが、念のためギルドで鑑定して貰いますか」


「そうして下さい! ほら、早く手を放して!」


 私はすぐに呪われているであろう杖を亜空間に放り込んだ。


「あの、これもドロップアイテムなんでしょうか?」


 セリカさんが何やら宝石のような赤く光る物を持っている。


「あ、それって確かリッチが胸の辺りに付けていた物じゃないですか?」


 なんとなく赤く光る物があったような気がする。


「多分、ドロップアイテムだと思います。呪われてるかどうかは分かりませんが」


「ひえっ!」


 セリカさんが慌てて手を放す。


「これもギルドで鑑定して貰いましょうね」


 私は赤い宝石のような物を亜空間に放り込んだ。


「では先に進みましょうか」


「いえ、ステラさん。ちょっと待って下さい。私もそうだけど、ステラさんも本調子じゃないでしょう? セリカさんも無理をしたから魔力が枯渇してると思いますし。今日はここで野営することにしましょう」


「あぁ、確かに...私の魔力はすっからかんです...」


 セリカさんがグッタリ項垂れる。


「なるほど...分かりました。確かに言われてみれば、私もまだちょっと体が怠いですね...」


「でしょう? 今日は美味しい物食べてゆっくりしましょう。それじゃあ皆さん、亜空間へ」


 こうして波乱に満ちた1日が終わった。

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