第165話 ダンジョン攻略6

「ステラさん、牛と馬だったらどっちが楽ですか?」


「牛と馬って...まぁ、合ってますけど...そうですねぇ...ケンタウロスの方が比較的倒し易いですかねぇ...」


「じゃあそうしましょうか。で? 結局牛と馬どっちですっけ?」


 どっちもタウロスだからややこしいんだよね。


「馬の方です...」


「じゃあ真ん中の道ですね。亜空間から行きましょうか」


 そう言って私はステラさんとセリカさんを亜空間に引っ張り込んだ。



◇◇◇



 やがてしばらく進むと...居た居た。確かに上半身が人間で下半身が馬の魔物がうじゃうじゃと。


「結構居ますね...」


「一匹というか一頭ずつ片付けますか」


「はい、そうしましょう」


 私とステラさんは亜空間からそっと近付く。群れから離れた所に居る一頭に狙いを付ける。


「ステラさん、私にやらせて貰っていいですか?」


「えぇ、構いませんが、なんで屈んでいるんです?」


「こういうことです」


 私はケンタウロスの下半身の馬部分、つまり馬の足を攻撃した。


「ヒヒヒンッ!」


 悲鳴と共にケンタウロスが地面に転がった。


「やっぱり。馬だから足が弱点だと思いました」


「カリナさん、さすがです...」


「いえいえ、上半身部分は筋骨隆々としていて、私のレイピアじゃ歯が立たないかなと思っただけです。これでイケそうですね」


 群れの一頭がやられて混乱しているケンタウロスの群れを、最初の一頭と同じように足を狙って地面に倒して行く。


 地面に倒れたケンタウロスをステラさんが一頭ずつ仕留めて行く。やがてケンタウロスの群れは壊滅した。


「フウ...お疲れ様でした」


「カリナさん、お見事でした」


「あの...さすがにこの数は...解体手伝って下さいね...」


 セリカさんから泣きが入った。確かに死屍累々たるケンタウロスの群れは軽く50頭を越える数だもんね。ステラさんもヨロシク。


 私? やる訳ないじゃん!



◇◇◇



 ケンタウロスの解体が終わって、私達はひと息吐いていた。


「結局、この道も行き止まりですね」


「ということは、牛の居る方が本線ってことなんですかね?」


「牛って...まぁ、ミノタウロスを倒さないと先に進めないのかも知れませんが...ちなみにセリカさん、ミノタウロスはどのくらいの数居ました?」


「う~んと...良く覚えていませんが...ケンタウロスよりは少なかったかなと思います...」


「じゃあ、もうちょっと休んだら行ってみますか?」


「そうですね...ただミノタウロスが相手だと私でも一対一で勝てるかどうか...」


「その時は引き返しましょう」


「そうですね...」


 こうして次はミノタウロス退治に向かうことになった。

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