第153話 ダンジョン攻略?

「ダンジョンってもっと魔物がわんさか現れるってイメージでしたけど、実際はそうでもないんですね?」


「いえ、これはまだ浅い階層だからです。階層が下がれば下がる程こんなもんじゃなくなりますよ?」


「そうなんですね。じゃあ急ぎましょうか」


「えぇ、彼女達が何階層目に居るのか分かりませんが、きっと困ってると思うので...」


 私達は2階層目を進む。


「うん? あれは魔物ですね」


「あれは...リザードマンです」


 トカゲ人間とでも言えばいいんだろうか? 上半身が爬虫類で下半身が人間という魔物だ。三ツ又の槍を手にしている。


「殺りますか」


 ステラさんがメリケンサックを鳴らす。


「いやいや、なに言ってるんですか? 出会う魔物全て倒す気ですか? 私達は『女神の風』の彼女達が心配だから来たんですよね? 目的を見失ってませんか? ダンジョンを攻略しに来た訳じゃないんですよ?」


「あっ...そうでした...」


「分かったら亜空間に行きますよ? 魔物は出来るだけやり過ごすんです。戦い続けてたらいつまで経っても彼女達に追い付けませんよ?」


「す、すいません...」


 私はステラさんとセリカさんを亜空間に放り込み、魔物の脇をすり抜けた。



◇◇◇



 こんな感じで5階層目まで進んだ時だった。


 私は亜空間から外を覗く。


「なんかこの階層は魔物が多くないですか?」


 亜空間を可視化してお二人にも見て貰う。


「確かに...オークにブラッディウルフの群れ、ゴーレムまで居ますね...」


「スタンピードの影響がこの辺りに出てるんでしょうかね?」


「そうかも知れません」


「彼女達が居るとしたらこの辺りでしょうか?」


「どうなんでしょうか...」


 その時だった。


「クソッ! キリが無いっ!」


「み、ミランダッ! あ、アタシ、も、もうダメ!」


「諦めんな! 諦めんな! 死にたいのか!」


「死にたくないよ~!」


「だったら死ぬ気で戦え~!」


「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」


「...あの声は!」


 私達は声のする方向に急ぐ。


「ミランダ!」


「えっ!? ステラ!? な、なんでここに!?」


 やはりミランダ達だった。魔物の群れに囲まれている。


「話はあと!」


 私はミランダ達の体に触れ、強制的に亜空間へ放り込む。


「えっ!? ここどこ!?」


「あんた達は!? 誰!?」


「なにがどうなってんの!?」


 ミランダ達が混乱してる。まぁ無理もないけどね。


「ここは私が作り出した亜空間。私達はステラさんに言われてあなた達を助けに来ました」


 ミランダ達が全員目を丸くした。

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