第146話 拠点確保

 その後、ステラさんに『エリアーズ』の業務説明をした。


「するとメインは護衛の仕事ってことですか?」


「えぇ、それも女性限定で」


「それってピンポイント過ぎません!?」


 うんうん、セリカさんと全く同じ反応。まぁ無理もない。


「確かにそうなんですが、結構需要はあるんですよ? こういった高いホテルに泊まれるくらいには」


「あぁ、確かに...」


「それと仕事が無い時は、周辺の魔物を狩って稼いだりしてますから」


「なるほど...」


 ステラさんはしばらく考え込んでいた。


「業務内容は理解しました。でもだったらホテル暮らじゃなく、ルームシェアをした方が良いんじゃないですか?」


「ルームシェア?」


「えぇ、パーティーホームとして拠点を構えるってことです。私を追い出したパーティーはそうやってました」


「なるほど...」


 護衛を主にするつもりだったから、拠点を作るとかそんなこと考えもしなかったよ。護衛だと場所を転々とする必要があるからね。


「そう言えばマックス達もそんなこと言ってました」


 セリカさんが口を挟む。


「そうなんですか?」


「えぇ、王都に行ってある程度稼いだら拠点を作りたいって。だから王都に来たんですよ」


「そうなんですね...じゃあ私達もそうしましょうか?」


「「 賛成~! 」」


 ステラさんの怪我が治るまですること無いしね。それにしばらく王都に居るつもりだったからちょうどいいかも。


 早速、私達は不動産屋さんに赴いた。



◇◇◇



「ここなんか良くないですか?」


 私が提案したのは、3つの居室と1つのリビング・ダイニングキッチンにて構成されている間取りで、所謂3LDKと呼ばれるものだ。


「どれどれ...うん、良いですね。風呂・トイレ付きだし」


「家賃も良心的だし、近くに商店街があって便利ですね」


 二人も気に入ったみたいなんで、現物を見に行くことにした。


「外観はちょっと古ぼけてますが、中は割と新しい感じですね」


「備え付けの家具も良い味出してます」


「日当たりは良さそうですね」


「ここに決めます?」


「「 賛成~♪ 」」


 全員一致で私達のパーティーホームが決定した。



◇◇◇



 空間魔法使いの引っ越しはあっという間に終わる。荷物を出すだけだからね。


「ステラさん、荷物が重くて持ち上がりません。ちょっと亜空間に一緒に来て貰っていいですか?」


「あぁ、すいません!」


「セリカさんは自分の空間に全部入れてましたっけ?」


「あ、確か重い物だけカリナさんにお願いしてました」


「ステラさん、すいませんがセリカさんの分もお願い出来ますか?」


「任せて下さい!」


 こうして引っ越しは無事完了した。

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