第139話 指名依頼スタート
「あら? カリナさん? こちらの方はどなた?」
やっとお二方の熱烈なハグから解放されたところで、マリス様がセリカさんに気付いた。
「こちらはセリカ。私の相棒です」
「相棒!?」
「はい、私達はパーティーを組んで活動していますので」
「「 ふうん... 」」
「ど、どうも...せ、セリカと申します...よ、よろしくお願いします...」
「マリス・オコネルです」
「クリス・エバートンです」
「「 ジー...」」
な、なんだろう!? お二方のセリカさんに対する視線が厳しいように感じるんだけど!?
「あ、あの...挨拶も済んだところで、依頼内容の確認をしたいんですけど.. 」
「あぁ、そうでしたわね。そろそろ社交シーズンに入りますので、主だった貴族は王都に集まりますの」
「そこで私達も王都に移動しようと思って、カリナさんに護衛をお願いしようと思ってましたの」
「冒険者ギルドでカリナさんに指名依頼をしようとしたら」
「それがたまたま同じ日でバッタリお会いしたので」
「「 どうせなら一緒に依頼しようと思ったんですの 」」
す、凄い...交互に喋り出して最後にピッタリ息が合うなんて...
「な、なるほど。経緯は良く分かりました。では早速出発しましょうか」
◇◇◇
私は御者席に、お二方とセリカさんは客席に乗って王都までの旅がスタートした。
何とはなしに客席の会話に耳を傾けてみると「カリナさんとはどうやってお知り合いになったの?」「いつから一緒に居るの?」「まさか一緒に住んでるとか言わないわよね?」などなど。
私との関係を根掘り葉掘り聞かれてセリカさんが困ってる。しかもお二方の間に挟まれる形で席に着いてるから逃げ場が無い感じ。
なんでそんなに私達のことが気になるのかな? おっと、今はお仕事中。そんなことを気にしてる場合じゃないね。
「セリカさん、また魔物が出ました。お二方と避難して下さい」
「わ、分かりました!」
これでもう三度目の襲撃だ。ダンジョンでスタンピードが起きると、その余波で周辺の魔物が活性化するらしいんだけど、それにしても多いね。
セリカさんにお二方を瞬間移動で安全な場所まで移動して貰って、私は馬車と馬を亜空間に引き込んでから魔物に相対する。
基本的な戦術はこの間と一緒だ。こうしておけば万が一、私が敵にやられちゃったとしても、セリカさんが無事なら逃げ切れるからね。
幸い今のところ、襲って来るのはゴブリンやオークなど弱い魔物ばっかりだから安心だけど、何時なんどき強い魔物が襲って来るか分からないからね。
普段から備えはちゃんとしておかないと。
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