第126話 魔物討伐
「カリナさん、この依頼なんかどうですか?」
「どれどれ...あ~...これは止めましょう...」
「なんでですか? 報酬も中々だし、場所もそんな遠くないですよ?」
「隊商の護衛依頼だからです」
「あ~...荷車扱いされるかも知れないでしたっけ?」
若しくは手提げカバン、旅行カバン、荷物リュック感覚かな。
「えぇ、私達の能力が知られたら間違いなくそうなるでしょうね」
だから私達が空間魔法使いだっていうことは、ギルドマスターにお願いして伏せておいて貰った。賊になり下がった元冒険者どもを引き渡す時にビックリされたっけ。その時に内緒にしてくれるようにお願いしたんだ。
護衛を引き受けて何事もなく終わればいいけど、魔物や盗賊に襲われたら能力を使うしかないからね。
「それに恐らくですが、この依頼を引き受けたいって言っても、きっと向こうの方から断って来ると思いますよ?」
「えっ!? どうしてですか!?」
「私達が小娘だからです。男尊女卑のこの世界では、男が女に守って貰うのを恥だと感じる人達は多いと思いますよ?」
なにせ女は一歩下がって男の後ろを歩けっていう世界観だからねぇ。女は男に守られるべき存在だって考えが根深いんだよ。
「あ~...なるほど...確かに...ん!? ちょ、ちょっと待って下さい! そうなると私達に依頼する人ってかなり限られて来ませんか!?」
あ、気付かれた。まぁ何れはバレることだったけどね。
「えぇそれはまぁ...女性限定と言えないこともやぶさかではないと思ったり思わなかったり...」
「聞いてないですよ~!」
うん、言ってないからね♪ 確信犯だもん♪
「テヘペロ♪」
「テヘペロじゃねぇ~!」
セリカさんが頭を抱えてしまった。ちょっとだけ罪悪感...
◇◇◇
「ま、まぁその...依頼が無い時は弱い魔物でも狩りましょうよ? ゴブリンとかゴブリンとかゴブリンとか、ちょっと休んでまたゴブリンとか、あとたまにコボルトやオーク、ホーンラビットとか」
ギルドにはそういった依頼が常時出ているからね。まぁ報酬はお小遣い程度にしかならないけど...
「はぁ...まぁいいですけど...」
「セリカさんの戦闘力も確認しておきたいですし」
基本、セリカさんには戦闘力は期待してないけど、いざっていう時のためにもね。
「いやそんな、いくら私でもさすがにゴブリンくらい倒せますよ~!」
セリカさんがプンプン丸に。
「じゃあ行きましょう」
こうして私達は初めての魔物討伐に向かった。
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