第125話 王都良いとこ一度はおいで?
「あの人達なんなんでしょうね? 今頃になって愛想良くしてくるなんて...」
セリカさんが苛立ってる。
「きっとあれですよ。ほら、良く言うでしょう? 成功して名が売れると今まで会ったこともない親戚が現れたり、それまで大して親しくもなかった人が急に『俺はアイツの親友なんだ!』とか言い出したりするって。知り合いアピールしたかったんでしょうね」
成功すると人が寄って来るよね。良い人も悪い人も。
「最低ですよね...」
セリカさんが吐き捨てるように言う。まぁ無理もないね。
「ダンジョンに挑戦するとか言ってましたよね? 今になってセリカさんに戻って来て欲しいとか思ってんじゃないですか?」
「絶対に戻りませんよ! 人をバカにするにも程があります! 勝手に苦労すりゃいいんですよ!」
セリカさん激おこである。
「っていうか、王都の近くにダンジョンなんてあるんですね?」
「えぇ、昔っからあるみたいですよ? 危険なんで騎士団や冒険者が定期的に魔物を狩って、スタンピードを防いでいるんだって聞きました」
「スタンピードってなんですか?」
初耳だな。
「ダンジョンの外に魔物の群れが飛び出して来ることを言います」
へぇ~ そんなこと起きるんだね。
「あぁ、なるほど。王都に近いだけに、そう言った定期的な間引きが必要になってくるんですね?」
「えぇ、そうです。だからさっきの『ペガサスの翼』の連中も駆り出されたのかも知れませんね」
「はい!? 今なんて!?」
聞き慣れない言葉が耳に届いたような!?
「あの連中のパーティー名が『ペガサスの翼』って言うんです...」
「...それ、言っちゃ悪いけど、明らかに名前負けしてません?」
中二病っぽい雰囲気がヒタヒタと...
「私もそう思います...正直、あの頃はパーティー名を名乗るの恥ずかしかったです....」
「アハハハ...」
御愁傷様。チーン。
「さて! あんな連中のことはとっとと忘れて、せっかくの王都なんですから楽しみましょうよ! 財布も潤ったしパァーッと派手に行きましょう! カリナさん、王都初めてなんですよね? 私が案内しますよ!」
「そうですね! 行きましょう!」
その後、ショッピングを楽しんだり、美味しい物を食べたりと、お上りさんよろしくたっぷりと王都観光を楽しんだ。
「セリカさん、しばらく王都を拠点にして依頼を熟しませんか?」
「いいですね! そうしましょう!」
私達は...と言うより私が王都にどっぷりとハマっていた。ずっとここに住もうかな? と、思うくらいに。
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