第116話 エリアーズ結成

「セリカさん、次はセリカさんの空間魔法の特性を教えて貰っていいですか? ちなみに私の場合、物は触れなくても亜空間に引き込めるんですけど、人を引き込むためには触れないと無理なんです」


「わ、私の場合は触れないと無理です。そして生物を入れることは出来ません。無生物のみなんです...」


「そうなんですね。私のと何か違いがあるみたいですね?」


「た、多分ですが私の場合、時間停止するからだと思います...」


「えっ!? 時間停止!?」


「は、はい。入れた物の時間が止まるんです...」


「それ凄いじゃないですか! つまり熱い物を入れたら熱いままで、冷たい物を入れたら冷たいままってことですよね?」


 ホント凄いわぁ~! 電子レンジ付きの冷蔵庫みたいなもん? ちょっと意味が違うかな?


「え、えぇ、良く言われました...『お前の取り柄はこれだけだな』って...」


「とんでもないですよ! 私は凄い能力だと思います! そんなことを言うヤツらはアホですよ!」


 そんなヤツらとは別れて正解だね!


「あ、ありがとうございます...」


「他には? どんなことが可能なんですか?」


「え、えっと...瞬間移動が出来ます...」


「はいっ!?」


 今なんて!?


「で、ですから、瞬間移動」


「凄いじゃないですかぁ!」


「ひっ!?」


 いかんいかん、思わず食い気味に突っ込んでしまった。いやそんくらいビックリしたんだけど。


「是非とも見せて下さい! この目で見てみたいです!」


「え、えっと...そ、それじゃあ行きます...エイッ!」


 するとセリカさんの姿が消えた!


「ど、どうでしょうか...」


 その声に振り返ると、私の背後にセリカさんが居た!


「セリカさん、凄いですぅ~!」


「ひゃうっ!?」


 私はあんまり凄かったんで、感激して思わずセリカさんに抱き着いてしまっていた。


「セリカさん! これってどこまで移動できるんですか!?」


「え、えっと...わ、私は魔力が高くないので、目に映る範囲までです...」


「それでも十分凄いですよぉ~!」


「そ、そうなんでしょうか...良く言われたのは『こんなの逃げる時にしか使えない』でした...しかも私ともう一人しか移動できないので、そこでもまた役立たずだと...」


「もう一度言います! そんなヤツらはアホですよ! セリカさん、是非とも私とペアを組んで頂けませんか!?」


「えぇっ!? わ、私がカリナさんとですか!?」


「はいっ! 実はセリカさんと出会ってからパーティー名も考えていたんです!『エリアーズ』なんてどうでしょうか?」


「エリア...あっ...空間だから?」


「そうです! 如何でしょうか?」


「...わ、私なんかでよろしければ...その...お願いします...」


「こちらこそ!」


 こうして私に新しい仲間が出来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る