第117話 セリカの衝撃
ペアを組んだ私達は、お互いを良く知るためにも同じホテルに泊まることにした。
というか、私の泊まっているホテルにセリカさんを連れて来た。
「さぁどうぞ? この部屋、ベッドがセミダブルなんで、私達二人余裕で寝られると思うんですよね」
あ、あれ!? セリカさんがドアの所で止まっちゃったよ。やっぱり同じベッドは嫌なのかな...だったら私は亜空間で寝てもいいんだけど。
「か、カリナさん! す、凄いです! こ、こんな高いホテルに泊まれるなんて!」
そうじゃなかったみたいだ。
「カリナさんは凄い冒険者なんですね!」
どうしよう...セリカさんの目がキラキラしてるんだけど...この間の仕事が約1ヶ月振りの仕事だったなんてとても言えないや...
このホテルだって金に困ってないから、取り敢えず一番高いホテルを選んだってだけだしなぁ...これからペアを組むんだから、ここはやっぱり正直に...
「い、いやぁ、それ程でもぉ~」
言えなかった...セリカさん、とおっても目をキラキラさせてんだもん...いやなんかゴメン...
◇◇◇
「へぇ~ セリカさんは15歳なんですか~」
イアン様やアクセル様と同い年なんだね~
「はい~ とは言え、いっつも実年齢より下に見られちゃうんですけどね~ ほら私、体がちっちゃいから~」
今、私達は裸の付き合いってことで、一緒にお風呂に入っている。風呂もデカいんで二人余裕で入れる。
「アハハ、私と逆ですね~」
「と言うと~? カリナさんはおいくつなんですか~?」
「私まだ10歳なんですけど~ まず実年齢より上に見られますね~」
「またまた~ 騙されませんよ~ そんなナイスボディしてて10歳な訳ないじゃないですか~ ホントはおいくつなんですか~?」
ナイスボディって...そりゃ確かに最近、胸は少し膨らんで来たけどさ、それでも15歳のセリカさんに比べたら...って、あ、あれ!? も、もしかしてそんな大差無い!?
「いえ、ホントに10歳なんですが...」
私がそう言った途端、セリカさんがガバッと私の両肩を掴んだ。えっ!? なになに!? 怖いんだけど...
「...で!?」
「えっ!? 今なんて!?」
「...マジで!?」
「ま、マジです...」
「マ・ジ・で!?」
「マ・ジ・で・す」
「...負けた...色んな意味でとにかく負けた...完敗じゃあ~!...」
そう言ってセリカさんはお湯の中にブクブク沈んじゃった。
えっ!? なになに!? ホントにどうしたの!? セリカさん、大丈夫!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます