第12話 仕事関係なのだろう

 亜蘭は、うつ向いたまま終始無言だ。



 彼女の描いたスケッチブックを見れば簡単なテストを受けて貰い、すぐにでも入社できるモノと思い込んでいた。



 確かに未成年だと保護者の了承や労働基準法などで就業時間が決められている。



 未成年者は原則10時以降、翌朝の5時までは働かせてはいけないことになっている。


 特に最近は未成年者の勤務時間の超過に厳しい。



 亜蘭アランは保護者が居ないと言うので僕が保護者代わりにサインしても構わない。


 とにかく彼女は、このまま帰すには惜しいほどの逸材だ。



「じゃ、取り敢えずテストしてみて判断して下さいよ」

 僕は提案した。


「テストォ……」社長は姫乃樹アリスと目を合わせた。



「そうよ。マジで、これだけの絵が描けるなら即戦力かもよ✨😜✨✨」

 アリスはスケッチブックをコツコツと指先で差して肩を竦めた。



「うゥ〜ン……」

 社長も腕を組んで考えているみたいだ。

 いつもルーズで寛容な社長にしては珍しい。



 その時、スマホの着信音が鳴り響いた。

 


 『ス○ーウォーズ』のダー○・ベイダーのテーマソングだ。

 どうやら社長のスマホのようだ。



 おそらくこのテーマソングは仕事関係なのだろう。









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