第10話 履歴書は……
「うゥ……」
確かに彼女の言う通りなのだが。
そうあからさまに言われると立つ瀬がない。
「あのですね……。この子がアニメーターになりたいッて言うんですよ」
取り敢えず、亜蘭の紹介をしないと。
「ああァン……」
万丈社長は嫌らしい目つきで舐め回すように美少女の身体を見つめた。
まるで品定めをするように下から上へ視線を巡らせた。
「……」美少女の亜蘭は恥ずかしそうに僕の影に隠れ視線を逸らせた。
「あのォ……、社長!!
別にアイドルのオーディションじゃないンですからルックスは関係ないでしょ。
それよりも見て下さいよ。コレを!!」
僕はカバンから亜蘭のスケッチブックを出して
「あン……」社長はスケッチブックを受け取り、パラパラとめくってみた。
「……」少し眉をひそめ、社長の顔が険しくなった。
「……」そんなに、考えるほど酷くはないはずだ。
「へェ……、スゴいじゃない。その子!!
ヤバいくらい上手いじゃン!!」
横から姫乃樹アリスが覗き込んで微笑んだ。
「ええェ……、どうでしょうか」
僕もそのスケッチブックを見て感心した。
「ううゥン……、絵は良いが履歴書は?」
社長は手を出して催促した。
「ああァ、そうですね。履歴書は書いてきた?」
僕は横にいる亜蘭に訊いた。
「……」美少女は無言で首を横に振った。
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