第7話 万丈《バンジョー》社長
春の麗らかな日差しが照りつける。
桜も咲き始めお花見の時期だ。
学生たちは春休みに入った頃だろう。
僕は、お昼頃スタジオへ自転車で向かった。僕の後ろをアランがママチャリでついてくる。
元々、母親の乗っていたママチャリだ。
母親が亡くなって2年間、誰も乗っていなかったのでアランに使って貰った。
彼女には悪いが、新しい自転車を買ってあげる金銭的な余裕がない。
もちろん先導役の僕はスピードを出さず、ゆっくり走っていく。
今日は、アニメスタジオの社長にアランを紹介するつもりだ。
彼女の画力を見れば、きっと驚くだろう。
即戦力かも知れない。
西武新宿線
アランを連れてエレベーターで、4階まで上がりスタジオのドアを開けると、ワケのわからないラップ音楽が流れていた。
どっかのクラブだろうかと思うほどの爆音だ。
おそらく社長の
バツイチで愛人が10人いると豪語している。元セクシー男優じゃないかと思うほど精力絶倫のアラフォー男性だ。
昔は有名なアニメーターだったが、今は社長業に忙しい。
ちなみに声優の銀○万丈氏は、サ○ライズ制作、富野由○季監督作品の『ダ○ターン3』の主人公、
ご本人は別の方から命名されたと言うが定かではない。
他のアニメーターはヘッドフォンで各々、好きな音楽を聞いている。
一日じゅう座っている仕事なので好きな音楽を聞いていないと気分が滅入ってしまう。
僕も仕事中はアイドルソングやアニメソングばかり聞いている。
さっそく僕は社長室を訪ねた。
「社長! いますか!?」
返事も待たずドアを開けると、部屋の中で半分裸の美女と万丈社長が抱き合っていた。
「あ!!」一瞬、僕は硬まってしまった。
「キャァァァ〜ーー!!」
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