第6話 ✨😜✨✨

 近所の人に聞かれれば誤解されるだろう。


「早く入れてェ〜ーーッ😫💦」

 彼女は、おシッコを我慢しているのだろうか。しきりにその場で脚をバタバタさせている。



「わかったから!!

 ちょっと待っててくれよ!!」

 焦れば焦るほど、今日に限ってカギ穴にキーが通らない。


「ン……!!」

 ようやく『ガッチャン』と音を立ててドアノブのカギが開いた。

「ふうゥ……」ホッとしたのもつかの間。


「キャッキャァーーッ✨😝✨✨」

 歓声を上げてアランは勝手にドアを開き、室内へ駆け込んだ。



「あ、そっちだからトイレは!!」

 慌てて指で差したが、アランは急ブレーキを掛けて振り返った。


「おシッコ、漏れちゃうなんてウソだよ。

 ベェ〜……✨😜✨✨」

 おどけて僕に向かい『あっかんべー』をした。



「えェ、なんだよ……」まったく……。

 心配して損をした。



「キャッキャァァーーッ✨🤗✨✨💕」

 美少女はそのまま部屋の奥のリビングへ走っていく。



「おいおい、頼むから真夜中に、はしゃぐな!!」

 注意をするが暖簾に腕押しだ。


 ただでさえアニメーターは夜型なので、時折り泊まりに来るスタジオの連中が朝方まで騒いでうるさい。


 近所の人にはいつも肩身が狭い思いだ。


 凝りもせず真夜中に女子が駆け回っていたら、近所迷惑もはなはだだしい。




 

 この夜からアランは僕の家に居候するようになった。


 


 まるで小悪魔みたいだ。

 

 春の嵐のように僕の心をかき乱していった。







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