第53話
ヒルズタウンまでモートは凍て付いた道路を一直線に走り抜けていく。
雪を被った自動車や路面バスを幾度も通り抜け、通行人のど真ん中を駆けて行った。
「うん? もう一つ? 知っている黒い魂だ! 確かパラバラムクラブで出会っている! あの女性もいた!」
ヒルズタウンまで後、3ブロックというところで、モートは突然立ち止まった。
「ああ……ぼくは……」
ギルズの黒い魂が傲慢のグリモワールを使う。
パラバラムクラブでの女性の黒い魂が怠惰のグリモワールを使う。
街の空気が一斉にざわめきだした。
モートは震えていた。
「すごく怖いんだね……」
ドン! ドン! という破裂音が至る所で早鐘のように鳴りだし、激しい空気の振動と共に、体長3メートルの巨大な大熊が一匹、一匹とここヒルズタウンの高級レストラン街の一角で、壁を突き破ってホワイトシティを襲った。それと同時に一つの高級レストランのドアから出て来た蝙蝠のような羽のある男たちが空を舞った。
辺りから悲鳴が鳴り響く中。
天空は蝙蝠男。
地上は大熊によって、埋め尽くされた。
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