Episode2 始まりの街
リリウムが連れて行かれたのは石造りの街。
どうやら”
それなりに大きい街だがリリウムの目には活気付いてるようには見えない。
それもそのはず、街を出歩いているのはシワが一つもない軍服に身を包んだ単発式ライフルを背負ったいかにもな軍人以外いないのだから。
目立つゴミこそ無いものの、埃っぽく、出店も無ければ遊ぶ子供達もいない。
各地に乱立する工場の煙突は煙を大量に吐き出し、焦げ臭い匂いがより強くなったことでリリウムはかなり息苦しく感じる。
「確かに、これなら外に出る奴は少なくなるだろうな」
「今日はまだいいほうだよ。ガスマスクをつけないで済んでるんだから」
思わず出てしまったリリウムの本音をうんざりとした様子でルーシェムが肯定する。
「ほら、もうちょっとなんだから頑張って。リリウムさん、喉渇いてたりお腹減ってたりしますか?」
クルトの問いにリリウムは初めて自分の腹に何も入っていないことに気づく。
そういえば、とリリウムは自分が襲撃作戦の前日の夜から何も食べていないことを思い出す。
「腹は、正直減ってるな。昨日の夜から何も食ってないんだ。正直何日間眠ってたかは知らないし、知る気もないがな」
苦笑いしながらリリウムが言うと、クルトは自身の左腕の腕時計を見る。
「あ〜、まだちゃんとした昼食が取れる時間です。多分僕たちは書類書いたりしなければいけないから軽食の時間にギリギリ滑り込みって感じかな?」
「うえ〜めんどくさ〜」
「文句言わない。ならさっさと色々済ませちゃえばいいんだよ。5枚以上の書類見たら速攻寝るのはルーシェムでしょ」
「6枚だもん!」
ルーシェムは言い訳になっていない言い訳を口にしながら頬を膨らませてプイと目をそらす。
なお、リリウムは二人の間に挟まれているので相当居心地が悪く、同時に微笑ましく感じる。
自分の娘も、生きていたらこんなことになっていただろうか、と考えたリリウムは少しばかり寂しそうな顔をした。
結局小言の言い合いはクルトが全ての面倒ごとを引き受けるという形で幕を閉じた。
それから、3分間ほど歩き続けて三人がたどり着いたのは物々しいフェンスと有刺鉄線に囲まれたアンファングの西端に位置する広大な土地の正面扉。
明らかに、軍事基地である。
クルトは扉の警備兵に通してもらえるように話をしている。
リリウムは初めから大体察していたが、やはり。
「戦争中か、今は。」
特に何の感情も込めずにリリウムが放った言葉は彼の左隣のルーシェムに微妙な反応をもたらす。
「うん……ていうか知らなかったの?」
「ああ、まあな。どんな場所だろうと、争いは絶えないか」
リリウムの嘆息には呆れと落胆と、ほんの少しの恍惚にも似た感情が混じっていた。
リリウムの口は不敵に釣り上がる。
その、まるで獲物を狙う肉食獣のような獰猛な笑みを見たルーシェムは、背筋が凍りついたかのような錯覚に陥った。
「リ、リリウム?」
リリウムはハッとする。
「ん、ああ、どうしたんだ?」
リリウムの顔は先ほどまでの全てに疲れ切ったような無気力な顔に戻っていた。
「……いや、なんでもないよ。」
「ごめんごめん、待たせたね。二人とも行くよ」
クルトが警備と話がつけ終わり、戻ってきた。
ビー、というブザー音の後にフェンスの門が開き、三人は開ききった門をくぐり、軍事基地の中に踏み込む。
リリウムの目に入ったのは、くすんだ灰色の二階建て倉庫が数棟と管制塔と並立された白いコンクリート製の一際大きい三階建て施設。
そして、大きな施設の中央に黒地に白い円、その中に白い逆五芒星が描かれた旗。
「あの旗は?」
「あれは我がアルビトロ連邦王国の国旗です。どこの軍事基地にもあれが掲げられてますよ。あれは、48年前の建国当時から変わってないんです」
クルトは説明しながら国旗を指差す。
その掲げた右手の掌にリリウムは、六芒星とよくわからない文字のようなものが烙印してあることに気づく。
魔法陣。
リリウムは今まで手に入れた情報をまとめようとする。
聞いたことのない国名と見たことのない国旗、そして魔法陣。
「そうか。……どうなってんだ」
「どうしました?」
つい漏れたリリウムの独り言に国旗について説明していたクルトが首をひねる。
「いや、なんでもない」
クルトの問いに答えつつ前を見ると、大きな施設の門前についていた。
クルトを先頭に三人が施設の中に入る。
「じゃあ、ルーシェム。食堂にリリウムさんを連れてってあげて。書類は全部引き受けるから」
「やったね」
クルトは施設の廊下を右に曲がる。
「じゃあ、リリウムは私についてきて。今日は確か鱒の塩焼きだったよ」
何の話だ、と怪訝な顔をするリリウムは昼食の話か、と思い至ってすでに歩き始めたルーシェムについていくのだった。
「それで?コカビエル中将ともあろう方がなぜこんなところに?」
クルトの目の前にいるのは、黒い戦闘用ではない軍服姿の、背中から翼の生えた人ならざる者。
「君が今日、トートの森で見つけたという男に会いたくてね」
名をコカビエル。
グリゴリと呼ばれる堕天使の一団の一人。
つまり、悪魔である。
それも、中将という幹部クラスの。
「リリウムのことですか」
「彼はリリウムというのか。我が王が彼に会いたがっているのだよ」
「王が……?」
コカビエルが頷く。
「それに潜在魔力係数800以上の身元不明の人間……気にならないわけなかろう?」
「それはそうですが……危険です。もし天使や爆弾だったとしたら……!」
必死に訴えるクルトをコカビエルは睨む。
そのあまりの圧力につい押し黙ってしまう。
「私の身を案じていることは素直に褒めてやる。だが、魔力が人間の中でずば抜けているだけだ。私からすれば他の人間と大差ない。その程度の理解が私にできないとでも思うか?」
「いえ……。申し訳ありません」
気を落としたクルトを励ますようにコカビエルは肩を叩く。
「いや、君の判断は部下として正しい。それに、リリウムだったか。彼を見つけてくれたのは素晴らしい功績だよ、クルト・ノイマン少尉」
クルトにコカビエルが優しく笑いかける。
が、クルトからすれば恐ろしい上官の微笑みなんて冷や汗を誘うものでしかない。
「は、はい。ありがとうございます」
クルトはほぼ反射的に敬礼をしていた。
「それで彼は今、どこにいる?」
「一階の食堂です。ルーシェム……ルーシェム・クイ准尉と食事を取っている最中かと」
「ああ、君と同じ特務試験中隊の少女か」
「ええ、どうやらリリウムさんに懐いてしまったようです」
「はっはっは。変わり者の彼女らしいじゃないか」
心底可笑しいと言うように笑うコカビエルに苦笑いするしかないクルトの背中は汗がダラダラ流れている。
「それでは、彼に会ってくることにしよう」
その瞬間、世界が光に包まれる。
轟音と衝撃が施設全体を揺らす。
リリウムは食べていたキャベツの塩漬けを吐き出してしまう。
「何!?」
同じく、食べていた鱒の切り身を衝撃で吐き出したルーシェムが叫ぶ。
『警報!南西の方向、距離2800に脅威の接近を確認!魔力係数は3000以上!敵性存在は帝室付大隊、第四近衛天騎士団と推定!』
食堂の壁に設置されたスピーカーから誰かの焦った声が聞こえる。
「近衛天騎士団だぁ!?なんで前線突破してるんだ!」
誰かが叫ぶ。
それを皮切りに、食堂内が恐慌で包まれる。
「まずいことになっちゃったね。とりあえず安全なところに隠れなきゃ」
ルーシェムの言葉を遮るようにスピーカーから先ほどと同じ焦った声が流れる。
『残り距離2680!砲兵は88mm対空砲を各自判断で発射してください!
アンファングの住人に避難を呼びかけるサイレンが聞こえる。
「リリウム!ついて来て!」
食べかけの鱒を半分ほど残して、食堂を飛ぶように出て行ったルーシェムを追ってリリウムは食堂を出る。
「なあ!近衛天騎士団ってなんだ!?」
リリウムは叫んで問う。
「知らないの!?帝国の上位天使が集まった大隊で!」
「ちょっと待て!今、天使と言ったか!?」
「そうだよ!なんで何も知らないの!?」
リリウムは絶句する。
────こいつはタチの悪い冗談か?
────それとも俺は死んだ弾みに何か妙な世界に飛ばされちまったのか?
終着点のない思考がリリウムの脳内を駆け巡り、その瞬間に再び施設全体を揺るがす爆発がどこかで起きる。
その拍子に転んで立ち止まったルーシェムは毒づく。
「……ったく!こっちが何もしてないからって好き勝手やって……!」
間髪開けずにもう一度爆発が起きる。
リリウムは立ち上がったルーシェムの頭上の天井に亀裂が走っていることに気づく。
それは段々と傷を深く、大きくしていく。
リリウムは床を蹴る。
そして、ルーシェムの体をリリウムのその鍛えられた腕で包み。
「ちょ……!」
その瞬間、天井が音を立てて崩れ落ちる。
それと同時にリリウムとルーシェムは床に強く衝突する。
「……危なかった」
「……………………ありがとう、リリウム」
ルーシェムが消えてしまいそうなほど小さな声で礼を言う。
リリウムはルーシェムの上から退いて、立ち上がる。
そして、手をルーシェムに向けて差し出す。
「クルトを探しに行こう」
「そうね」
そして、ルーシェムは差し出されたその手を力強く掴む。
数秒ほど気を失っていたクルトは目を覚ました瞬間に、目に映った光景に驚愕する。
無数のコンクリート片と木片。
おそらくソファだったもの、原型が跡形もなく消し去っている椅子と机。
そして本来、壁があるはずの倒れたクルトの右側には曇った灰色の空が広がっている。
「……コカビエル中将……!」
上官の名前を呼ぶクルトの声は瓦礫の山を揺らす。
それに気づいたクルトは痛む身体に鞭打って立ち上がり揺れた瓦礫の山に近づく。
瓦礫を退かし始める。
クルトの顔ほどもある瓦礫はかなり重いが気にせずクルトは一心不乱に掴んではどこかに投げる動作を繰り返す。
そして、瓦礫の山からコカビエルの顔が露見する。
「中将!!」
クルトの声にコカビエルの反応はない。
クルトは舌打ちをこらえながら瓦礫を再び退かす作業に移り、コカビエルの体を半分ほど露出させる。
そして肩を掴んでコカビエルを瓦礫から引き抜く。
コガビエルに目立った外傷はないが一応、衛生兵に任せた方が良いと判断したクルトは入り口のドアに向けてコガビエルを引きずる。
それなりに重い人間、もとい天使を運ぶのはクルトにとってはかなりの重労働だったがそれも気にせずひきづり続ける。
そして、木製ドアを開けてコカビエルを外に引きずり出す。
扉の前に立っていた警備兵の二人もどうやら気を失っているようで、クルトは頬をたたいて意識を覚醒させる。
「コカビエル中将が気を失ってるんだ。衛生兵の所まで連れて行くから手伝ってくれ」
「……わかった。そっちの足を持ってくれ、俺はこっちを持つ」
警備兵の二人が片足ずつ持ってコカビエルを持ち上げる。
そして再び、爆轟。
コンクリートの床が揺れ、ミシミシと音を出して軋む。
バランスをとりながらクルトはその場に踏みとどまる。
「よし、行くぞ」
そして、その名の通り光球が天井の鉄筋コンクリートに上書きしたかのように足を掴んでいた警備兵二人の後ろに現れた。
それは瞬きもしないうちに閃光と衝撃波とともに弾け飛ぶ。
クルト、他三人と無数の瓦礫が爆風で光球の発生位置を中心に吹き飛ばされる。
幸い、クルトとコカビエルは警備兵の二人の肉体が盾になったおかげで大した傷を負わなかったが当の二人は一人が鼻から上が消えて無くなり、もう一人の方は大きめの瓦礫に完全に頭を潰されている。
クルトの鼻を刺激する鉄の匂い。
それは鮮血によるもので、クルトの脚にもベッタリとついている。
それに気づいたクルトが自分の体に目を向ける。
「あ…………」
クルトの右足の太腿に鉄の柱が刺さっていた。
瓦礫の中に混ざっていたもので、半ばから衝撃で折れ飛んでその先端がかなり鋭利になっていたのだ。
「痛いな……結構……」
滲む
「ぐ……、何が……?」
クルトの左側で倒れていたコカビエルが顔を上げる。
「中将、ご無事でしたか……」
「ああ……だが今の君にその台詞を言うことは出来なそうだ」
クルトは苦笑する。
「すみません。ちょっと手伝っていただけないでしょうか?」
「
フッとコカビエルが笑う。
コカビエルはクルトのそばに近寄り、クルトの腿に刺さった鉄の柱を引き抜く。
「ぐあっ……!」
クルトがその苦痛に耐えきれず叫ぶ。
「ああ、すまない。少し手荒だったな。すぐ楽にしてやるから力を抜け」
そう言って、コカビエルはクルトの腿に右手をかざす。
すると、コカビエルの掌とクルトの傷口が淡く光りだし、傷口が塞がる。
「何度見ても、不思議な光景ですよ」
「ははは、人間からしたらそうだろうな。だが、いつ何時であっても人の認知や理解が及ばない現象は溢れているものだよ」
乾いた笑いを漏らしながらコカビエルの掌と傷口の燐光は消え、クルトの傷口は綺麗にふさがり痛みも消えていた。
「ありがとうございます、中将」
「お礼は私が言いたいものだよ。こんなことになるのなら
その瞬間、瓦礫を踏み砕く音が二人の耳の奥に響く。
そして、クルトの耳には聴き馴染んだ幼い少女の声がボロボロで穴だらけの廊下に響き渡る。
「クルト!と、げっ!」
「”げっ!”とは何だね?ルーシェム・クイ中級特技兵くん?」
「いや、そのぉ……お久しぶりですね!コカビエル中将!」
露骨に目をそらし、露骨に話題をすり替えようとするルーシェムにクルトは苦笑いする。
「まったく、1年ぶりの再会だというのに君のそういうところはまるで成長していないな」
クルトは、その通りだと忍び笑いをする。
「何をいうんですか!私は成長してますよ!」
「本当か?少なくとも私には変わってないように見えるが」
怪訝そうな顔をするコカビエルに、ルーシェムが片頬を膨らませて不機嫌そうな顔をする。
一方でクルトは一つのことに気づき、ルーシェムに問う。
「リリウムさんは?」
「呼んだかな?」
そう言って廊下の曲がり角から出てきたのはリリウム。
ほっとするクルトを傍目に、コカビエルは何かに気圧されたかのように一歩後ずさる。
「……君が、リリウムかね?」
コカビエルの顔は先ほどまでの笑顔が嘘のように、緊張と恐怖に強張っている。
「中将……?」
「確か、800と言ったな、ノイマン少尉」
「は、はい。SFSはたしかにその数値を……」
「……それは本当だな?私は君を信頼しているが今回ばかりは疑わざるを得んよ」
コカビエルはさらに眉間に皺を寄せ、顔が引き攣り始める。
クルトとルーシェム、そしてリリウムは誰も動こうとはしない。
「中将、どうしたんですか?」
「彼の魔力係数、1000は優に超えるだろう」
クルトとルーシェムは絶句する。
リリウムは何が何だかわからずに硬直している。
「なあ、さっきから天使だの魔力だの何を言ってやがるんだ」
頭をぼりぼり搔きながらリリウムは言う。
「え、何を言ってるんですか?」
「だからそれを聞いているんだろ」
クルトの逆質問に再び質問するリリウムは、瓦礫を避けながらコカビエルに近寄る。
「俺はテロ組織の鎮圧任務に行ってたんだ。なのに、今はここにいる。どういうことか説明してくれよ」
「……私にはわからない」
コカビエルは首を横に振る。
「君が言った”テロ”や、君の異常な潜在魔力量やその見たことのない柄の服も私にはわからないのだよ。私にわかるのは君が森の中で発見されたということだけだ」
「じゃあ、なんで森の中で俺が倒れていたのかを説明しろ!」
リリウムは荒々しく声を上げる。
険しい顔になったリリウムは一つ深呼吸すると、再び穏やかな、というよりかは空虚な顔にもどっていた。
「……すまない、どうかしてる」
コカビエルはリリウムの肩に右手を置き、低く穏やかな声でのどを震わせる。
「いや、君が謝ることではないさ。混乱する気持ちもわからなくはない」
傍から見ていたクルトの耳が爆轟を捉える。
それは先ほどまでのものと違い、くぐもった火薬による爆発音。
「ようやく88mmが応戦を始めたみたいです」
「侵攻の理由は
コカビエルは口端を吊り上げながら笑う。
「どうします、中将?飛んでもいいですけど」
ルーシェムが期待を込めた眼差しをコカビエルに向ける。
そんなルーシェムの期待を次の瞬間にコカビエルは一蹴する。
「機密部隊を勝てるわけない戦闘に送り出す無能がここにいると思うのか?」
ちぇっ、とルーシェムはそっぽを向く。
「じゃあ、撤退ですか?」
クルトが問う。
「それしか無かろう。今できるのは被害を少なくすることだけだ」
コカビエルは残念そうにつぶやく。
「司令部に向かいましょう。ここまで大規模な戦闘は優秀な指揮官なしでは無理です」
クルトはコカビエルに言う。
「そうだな、なるべく戦力を削っておかなければ取り戻す時が面倒だ」
そう言って、コカビエルは瓦礫だらけの道を歩き出し、それに追随してクルト、ルーシェム、リリウムと歩いていくのだった。
コカビエルが気を揉む一方で、アンファングを襲った第四近衛天騎士団の団長、四大天使の一角を成すウリエルはアンファングからおよそ十キロメートル離れた作戦司令部の仮設テントの中でほくそ笑んでいた。
「奇襲はうまくいったようだな。陥落も時間の問題だ」
彼ら、第四近衛天騎士団は異常な魔力の発生がアンファング近くの森で発見されたことで攪乱された
異常な魔力の発生は、一週間ほど前から預言されていた。
だからこそ、皇室直属の精鋭部隊、それも二個旅団並みの部隊を単独で前線を突破させ、重要拠点への襲撃が成功しているのだ。
「
ウリエルは隣の司令官補佐の天使にこぼす。
「人間ごときが出しゃばりすぎなんですよ。主もなんで人間なんてものに自分の言葉を預けたんですかね」
「気持ちはわかるが主の悪口はよせ。今すぐここで処刑しても良いわけだからな」
司令官補佐の天使はビクッと肩を震わせる。
「し、失礼致しました!」
「気にするな、君はよく働いている。ただの冗談だ」
ウリエルはフンと鼻を鳴らす。
先ほどまでの卑屈な顔を崩さずに、次の言葉を実働隊に通じるチャンネルにバンドを合わせた無線機のマイクに言う。
「さあ、浄化を始めよう」
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