さざなみ
くらやみに覆われた水辺において、川砂のみが、青白く輝いている。
引率して来た子供たちは遊び飽きたのか、私の左右に坐り始めた。
皆で、見えぬ波の音に耳を傾けた。
しばらくしたのち、私たちは立ち上がり、手をつないで、川の中へ入っていった。
サラサラとした砂つぶが、指の間を過ぎていく。
川底が徐々に深くなり、足がつかなくなると、私たちは水中を浮遊し始めた。
くらやみの中、漂っている砂が、キラキラと青く輝いている。
川底はラピスラズリを敷きつめたような光景で、呼吸をしているかのごとく、その色彩の濃淡を変じ続けていた。
やがて、握っていた子供たちの手が、サラサラとした砂に変わっていき、青く輝き始めた。
私の体も少しづつ砂に分解されていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます