さざなみ

 くらやみに覆われた水辺において、川砂のみが、青白く輝いている。


 引率して来た子供たちは遊び飽きたのか、私の左右に坐り始めた。

 皆で、見えぬ波の音に耳を傾けた。


 しばらくしたのち、私たちは立ち上がり、手をつないで、川の中へ入っていった。

 サラサラとした砂つぶが、指の間を過ぎていく。


 川底が徐々に深くなり、足がつかなくなると、私たちは水中を浮遊し始めた。


 くらやみの中、漂っている砂が、キラキラと青く輝いている。

 川底はラピスラズリを敷きつめたような光景で、呼吸をしているかのごとく、その色彩の濃淡を変じ続けていた。


 やがて、握っていた子供たちの手が、サラサラとした砂に変わっていき、青く輝き始めた。

 私の体も少しづつ砂に分解されていった。

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