第2話「引継ぎ事件②」
犯人はハッキリと特定した。刑事課に所属する刑事、そして今回の
事件を担当している佐々木高之。
「あ、卯花さん集まりましたよ。佐々木高之の家族図とか
その他諸々」
彼の家系で何かあるのではと考えて調査させていた。担当したのは
佐田来夢という男だ。彼は一通り調査結果をまとめてくれた。
「この男はやっぱり術者の一族だったみたいです。―」
死霊を操る術を持つ佐々木一家に生まれた。術で人を殺す、その意見が
出ていた。子どもは迷う。そして嘆く。どうするべきなのだろうか、と。
夜中になり一カ所に死霊たちが集まっていた。
「しくじったな…思いのほか、卯花さんは勘が鋭い。もう僕の事も
バレちゃったみたいだね」
その場に駆け付けた霊能課の中には卯花美姫もいた。
「大丈夫なんですか?卯花さんは霊能力を持っていませんし、
戦いには参加しない方が良いと思いますけど」
「犯人だけど人間の心は捨てきれないみたいですね」
「何を言っているのか分かりませんね…」
呆れるように彼は言う。
「見かけだけ腕を変形させてる。私、目だけなら良いんですよ?
人であることをやめられないんでしょ?」
既に戦闘は始まった。だが彼女は堂々と真ん中を歩いている。
「前の課長が凄く有能だったのかもね。目的も全て推測が
まとめてあったんだ」
彼の心の揺らぎで周りの死霊たちの実体化が弱まっていく。
目的は霊能課に自身を殺させること。
霊能力者は自身の能力で死ぬことも珍しくない。最終的には死ぬの
だと思い知らせるため。
罰は下った。裁判所では終身刑ということになり彼の身柄は
霊能力者専用の独房に入れられた。
その直前に美姫は彼に言った。
「困ったときに頼っても良いですか」
彼は答えず何処かスッキリした顔をしただけだった。
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