最終話れいんあふたーざれにー(前編)

目が覚めた、あれここどこだ


って一瞬思ったのも束の間


ゼロ距離の体温と触れる肌で即座に思い出した


しっかり抱き合いながら肌が密着した状態


下着もバスローブも無しにそのまま2人とも眠ってしまった



僕のが先に起きたけど


1人そそくさと着替えてるってのも何だか、、


というよりこれだけ密着して、離れる時に起こしかねないし



抱きしめられるように眠っていた



それもあってか、動きたくない気持ちもあった


もう少し眠るかな


そう思い目を閉じる



起きて、少なくとも頭がまだ完全に働いてるとはいえずとも


素肌で、抱き合ってるとこでもっかい寝る



不可能だ


僕はなんてことを



僕は、、、?


僕からだったのか?


いや、どちらかなんてどうでもいい

些末な問題だ



花音にフラれて、その翌朝の今、昨夜会ったばかりのお姉さんと朝を迎えている


今朝かわからないけれど


働かない頭は思考を放棄した



眠ろうとしたが眠れない


すやすや眠るエリカさんの寝顔を見ていた


少し眠気が来て、再び眠りについた



再び目を覚ますと同時に空いてる片腕で伸びをする、少し動いた



「んー、 起きたんだー」


エリカさんがふわふわした声で寝ぼけながら目を覚ました


僕と自分の首から下を見るエリカさん


「ありゃりゃりゃー」


一瞬でいたずらっ子の笑顔を浮かべるエリカさん


「ま、良かったか。ちょっと順序とか意味すっ飛ばしちゃったけど」



??


どういう事だ



枕元のミネラルウォーターに手を伸ばし起き上がることなく飲み、僕に手渡してくる



「昨日散々呑んだし乾いてるからとりあえず起きたらお水ね、二日酔いは大丈夫?」


そういえば、頭痛や吐き気はない


良かった


水を飲みながらこくこくと頷く


エリカさんは飲み終えるとまた僕の胸元へと潜り込んだ



「此太君、やっちまいましたなー」


にやにやと笑うエリカさん


とてつもなく恥ずかしい気持ちや複雑な気持ちが一気に押し寄せる


い、いや、、


何か言おうとする僕の唇に人差し指を押し付けるエリカさん



「いいんだよ、これで」



え?


僕は理解出来なかった



なにが、どうして、いいんだ



「BARで話してたこと、これがそうなんだよ。ちょっと荒療治だけどね」


エリカさんは僕の髪を撫でながら優しい笑みで言った


どうゆう事なんだ


全く分からない


「君は今日、自分の世界の全てだった花音ちゃんから、違う道を見つけた


善し悪しは置いといてね」


少なからず変わった


言われてようやく納得した


花音が全ての世界から違う世界に踏み出した


花音が100.、全てから変わった


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