第9話 れいん れいん
これがどういうことか分かっていた
エリカさんが何を考えてるかとか自分の気持ちとかその辺はわかんないけど
何が起きるか
それだけは分かった
花音
一瞬だけ
過ぎった
不思議と本当に一瞬だけ
一応、どうゆういうつもりか聞こうとするも
僕の唇はエリカさんの唇で塞がれた
余計な事を言うなというように
「BARで言ってた事教えてあげる」
補正抜きにしても
そう言った、僅か数歳もかわらないエリカさんはとてつもない色気を持つ大人の女性に変わった
テンション高い陽キャなパリピな女の子の姿はなかった
髪を撫でられ視界が広がり、目の前数センチのエリカさんしか見えなくなった
外は雨
普段の僕なら慌てふためいて場を濁していただろう
雰囲気なのか、もうそういう空気なのか、
一瞬過ぎった花音
僕には花音しかいない、と脈絡もなく自分の言葉が頭に響く
深層心理で浮かんだことに対する
心理リアクタンスなのか
エリカさんの言葉の意味を知りたいのか
頭の中は沢山のことで埋め尽くされたけど、何処か冷静だった
初めてなのに、思ったよりも緊張しなかった
僕の首に手を回しゆっくりと押し倒すエリカさん
それを受止め、長いキスをした
バスローブははだけ
盛れる吐息と、音、お互いの時折出る声
頭の中は何も考えれず、行為に夢中になっていた
外は雨
長い時間をかけて
と言っても初めてだからそれが長いのか短いのか定かではないが
行為に及んだ
性行為は単にエロい
そんなイメージしか無かった
けれど、何処か違った
行為自体しているからもちろん、そうではあるのだけれど
悪い意味でなく、思ってたものと違った
エリカさんはなにか大事なものを注ぐように、教えるように
上手く言えないけど、そういう意志を感じた
長い夜が、終えてゆく
外は雨少しだけ空いて見える外はまだ暗かった
行為を終え、抱き合いながらいつしか2人とも眠りについた
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