第45話
ここは遥か遥か地球から離れた宇宙の彼方。
幾ばくかの月日が経ったようです。私は玉座で高取さんの言葉を聞いていたように覚えています。
水の溢れた地球の水を適度に渦潮から本星に流せばいいと、それならば地球温暖化とやらで全体的に増した地球の海水も元通りになる。と。
「地球の余分な水を惑星へ流せばいいの。それで万事丸く治まるわ」
その後、地球にいる人類の寿命が延びたようです。
麻生さんには私から伝えておくとも言っていました。
皆んなでよく相談し、武の命を案じて本星で武の治療をすることになりました。なぜなら治療が不可能とまでなってしまった命を生き返らせなければならなかったのです。
こうするしかなかった。例え治ったとしても、本星は遠い宇宙にあります。地球へと戻るには何年もかかるでしょう。渦潮で戻すにしても人の身体が持たない。浦島太郎と同じ末路です……。
でも、タケルなら……。
高取さんから聞いたように思います。麻生さんはいつまでも待つといっていました。
両親は二人のため祝言の準備とか……。
本星は前よりはだいぶましになりました。
もう水が失なわれることはないと……思いたい。
了
水の失われた神々 主道 学 @etoo
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