第22話

 空に浮かぶ幾つかの虚船丸からには大勢の大人の男が鳳翼学園の2年D組へと貴重な素材である神鉄を降ろしている。

 地姫の宮本博士や研究員たち、自衛隊のための配慮だった。

「はじめまして、本堂と申します。先ほどは危ないところを助けて頂き本当にありがとうございました」

 本堂先生が巫女と二人の武士に深く頭を下げている。

「お気になさらないで下さいね。それよりも」

 巫女が微笑んで頭を下げてから、そっと人を探し始めた。

恐らくは、この三人は存在しないはずの神社の代表なのだろう。

 本堂先生やそれぞれのクラスの担任。自衛隊や宮本博士たちが集まった廊下であった。人々のひしめき合うその場所で、巫女は麻生を探していた。

 その巫女は地姫であった。


 天鳥船丸では、鬼姫が遥か下方の鳳翼学園の二階。そう、麻生の方をキッと唇を噛み悔しそうに見ていた。きっと、やきもちを焼いているのだろう。

 鬼姫にとっては、最大のライバルである。


「武様。絶対、今日も一緒に寝ましょうね!」

 鬼姫はニッコリ微笑んで、武の腕に抱き着いた。

「はっくしょん! さあ、行こう!」

 武は照れ隠しにくしゃみをすると、すぐさま鬼姫を連れて操舵室へと向かったようだ。

 もうすぐ東京であった。


















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