第75話 類は友を呼ぶ
よかったらそうぞ」
瑠衣さんがペットボトルのお茶を手に、俺の対面に腰を下ろした。
「ありがとうございます。頂きます」
俺はペットボトルを受け取った。
「まず、今日はうちのキャストも何人か出勤する予定です。あらかじめご連絡はしていましたが、この子達が出勤になります」
瑠衣さんはタブレットの画面を俺の方に向けてきた。
そこには、ここのホームページが表示されており、今日の出勤キャストが映し出されていた。
「分かりました。ありがとうございます」
普通に考えて、Whiteのメンバーだけでお店を回すことは不可能だろう。
何人かキャストが出勤してくれるのはありがたい。
「多分、もう少しで出勤してくると思うんでその時に挨拶させますね」
腕時計で時間を確認しながら瑠衣さんが言った。
「ありがとうございます。ウチのWhiteもあと30分ほどで到着すると思いますので」
Whiteのメンバーには現地集合でと伝えてある。
俺がすでに店に居ることも伝えてあるので大丈夫だろう。
店の場所も共有してある。
「分かりました。成功するといいですね」
「はい、よろしくお願いします」
瑠衣さんとの打ち合わせは一段落した時、エレベーターが開いた。
「「おはようございまーす」」
いわゆる量産型と言われる可愛らしい服を身に纏った女の子が、二人現れた。
「お、来た来た。二人ともこっち」
瑠衣さんがその二人を手招きして呼んだ。
「あ、オーナお疲れさまです」
「お疲れさま。こちら、今日ゲスト出勤してくれるホワイトのプロデューサーの四宮さんだ」
そう言って、俺をキャストさんに紹介してくれた。
「四宮と申します」
「れいかです」
「アイナと申します」
二人はペコリと頭を下げた。
「てか、四宮さんめっちゃイケメンですね。アイドルのプロデューサーってもっとおじさんかと思いました」
「それな。ウチのオーナも顔はいいけど四宮さんもイケメンですね」
「イケメンではないと思うけど、ありがとう」
容姿を褒められるのは悪い気はしない。
「二人ともー、この人だけは辞めといた方がいいぞ」
そのやり取りを見たいた瑠衣さんが口を挟んだ。
「えー、なんでですか?」
「この人は一見、真面目でいい人に見えるが、蓋を開けたらとんでもない変人だぞ。まじで訳分からん所と繋がってるやばい人だ」
今、瑠衣さんの本音が聞けた気がする。
「まあ、確かに変わり者ですかね。でも、瑠衣さんには言われたくないですけど」
俺から言わせたらこの人も相当な変わり者だ。
なんでかは分からないが、俺の周りには変わった人間が集まってくるのだ。
「なんで俺の周りは変わった人が多いんですかねぇ」
「そんなの簡単じゃないっですか。類は友を呼ぶんですよ」
瑠衣さんが微笑みを浮かべながら言った。
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