第74話 コンカフェゲスト出勤①
翌日、今日はコンカフェでのイベントの日である。
コンカフェのオープン自体は夕方からなので、午前中は休みにした。
まあ、休みとはいえどメールのチェックやらスケジュール調整やらとやるべきことはたくさんある。
「こんなもんかな」
午前中はメールの返信をしているだけで終わってしまった。
こういうこともよくあるのがこの業界だ。
「さて、そろそろ行くか」
時計を見ると12時を回っていた。
秋葉原のコンカフェが会場なので、昼食を食べつつ早めに行くことにする。
瑠衣さんも今日は出勤していると言っていたので挨拶する必要もあるだろう。
「今日はこれにするか」
前に莉奈に選んでもらった服を着て家をでる。
当然ながら妹の瑠奈はすでに会社へ出勤していた。
自宅の最寄り駅から20分ほどかけて秋葉原へと向かう。
秋葉原に到着すると、まずは昼食を取る事にする。
「まあ、いつものところでいいか」
秋葉原には俺がいつも利用しているラーメン屋がある。
パッと昼食を済ませるにはちょうどいいので結構な頻度で通っていた。
いつものラーメン屋に入り、食券を買う。
それを大将に渡してカウンター席に座った。
数分でラーメンが到着すると、割り箸を割って食べ進める。
俺は職業柄かせっかちからか、食べるスピードは人より早い。
10分と少しでラーメンを食べ終えると店を出た。
「まだ少し時間があるか」
スマホで時間を確認すると、時間まではあと1時間ほどの余裕はあった。
俺は事務所に行くか迷ったが、適当なカフェで仕事している事にした。
また1時間ほどWhiteのスケジュール調整やアイドルオーディションに必要な物の発注をかけていた。
「よし、行くか」
そこまで仕事を済ませると、俺はノートパソコンを閉じた。
カフェの会計を済ませて会場のコンカフェへと向かう。
ここからなら、歩いて数分といったところであろう。
大体の場所は把握していたので、迷うことは無かった。
大通りに面しているかなり立地のいいところに、今日の会場となるコンカフェはあった。
「ここか」
看板が出ていたのでここで間違いないだろう。
「四宮さん?」
コンカフェが入っているビルを見上げていると、聞き覚えのある声で話かけられた。
「ああ、瑠衣さん。お疲れさまです」
「お疲れさまです。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそですよ。どうぞ、店舗をご案内します」
「ありがとうございます」
俺は瑠衣さんと共にエレベーターに乗り込むと会場である6階に向かった。
エレベーターが6階で開くとそこはまるで別世界が広がっていた。
「なんか、すごいっすね」
ピンクと水色を基調とし、可愛く装飾されている。
「ここならWhiteさんとの親和性もいいかと思いましてね」
「さすがです。ばっちりだと思います」
今日のことはSNSを中心に告知はしてある。
メンバーのフォロワー数を考えればかなりの集客につながるのではないだろうか。
あれからも、フォロワー数は着実に伸びているのだ。
「じゃあ、今日のことを軽く打ち合わせましょうか」
「そうですね。お願いします」
「そっちの席どうぞ」
俺は瑠衣さんに促され、テーブル席へと腰を下ろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます