第76話 コンカフェゲスト出勤②

 そこからしばらくして、再びエレベーターの扉が開いた。


「「お疲れさまでーす」」


 Whiteのメンバーが到着したのだ。

時間通りに3人一緒にくるあたり、しっかりしていると思う。


「お疲れさま。紹介するね。こちら、ここのオーナーの斉藤瑠衣さん」


 俺は瑠衣さんをメンバーに紹介する。


「初めまして、今日はよろしくお願いします」


 メンバーはそれぞれ軽い自己紹介をすると、ペコリと頭を下げた。


「斉藤瑠衣です。瑠衣って呼んでくださいね」


 瑠衣さんは自分の苗字をあまり好いてないらしい。

なので、名前で呼んで欲しいと言われていた。


「四宮さんとはタイプの違うイケメンだ……」


 美穂が瑠衣さんの顔を見てボソッと言った。

確かに、イケメンに分類される顔立ちをしていると思う。

俺と違うタイプかどうかはよく分からないが。


「まあ、それはそれとして、今日の衣装に気がえてきてくれ」


 開店時間がイベントの開始時間となっている。

時間まではあと30分ほどであった。


「「「はーい」」」


 Whiteのメンバーはここのキャストさんたちと共に、今日の制服に着替えに行った。


「では、我々は裏で何かあった時のために待機しておきましょうか」

「そうですね」

「こっちです」


 瑠衣さんと俺はバクヤードで待機している事にした。

まあ、何もトラブルが起こらないことが理想ではあるのだが。


「四宮さん、これどうですか?」


 莉奈が制服に着替えて俺の前で一回転した。


「可愛いと思うよ。美人は何着ても似合うんだな」

「ちょっと照れますね。ありがとうございます」


 莉奈は少し頬を赤くしながら言った。

水色と白を基調としたワンピーススタイルの制服はとても似合っている。


「四宮さんはそういうことをさらっと言えちゃうところがイケメンなんですよねぇ」


 瑠衣さんが俺の隣でニヤニヤしながら言った。


「なんすかそれ?」

「普通言えませんって。美人は何着ても似合うなって」


 多分、俺のモノマネをしたんだろう。

全然似てないけど。


「でも、僕は思ったことを行ったまでなんで」

「それが凄いんですよねー」


 瑠衣さんとは長い付き合いだからこそ、こうしてふざけ合ってることができる。

もちろん、仕事の時は真面目だが。


「みんな、今日は頑張ってね」

「「「はい!」」」


 そして、オープンの時間になった。

オープンと同時にそれなりにお客さんが入ってくる。


 瑠衣さんの経営するコンカフェはそもそも繁栄店なのだ。

そこに、Whiteのファンも集まったら当然ながら混雑することが予想されていた。


 なので、今日は1時間制を設けていた。

予想通りというべきか、今日はお客さんが絶えることが無かった。


 チェキは飛ぶように売れて行くし、お酒やソフトドリンクもかなりのペースで入っていた。


 そして、4時間に及ぶイベントは最高の盛り上がりで終えることができたのであった。

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