第34話 仕事が速い出版社
「おはようございます」
俺は今日も普通に出勤する。
「おはようございます。四宮さんに荷物が届いてましたよ」
そう言って、同僚が封筒を渡してくれた。
差出人は『集央出版週刊少年ブレイブ編集部』となっていた。
「お、もう届いたのか。ありがとうございます」
俺はその封筒を受け取った。
そのまま、自分のデスクで綺麗に封筒を開ける。
中身は実際に印刷されたメンバーの写真だった。
俺は一枚一枚確認していく。
「いい感じなんじゃ無いかな」
全部確認し終わったが、修正や加工もきちんとされている。
個人的には問題という問題はなかった。
「社長にも見てもらうか」
Whiteの責任者は俺なので俺がゴーサインを出せば基本的には通るのだが、今回は雑誌の知名度を考えると事務所の名前も出ることになる。
そうした時に、何か問題があれば社長が責任をとることになる。
望月さんの顔に泥を塗る訳にはいかないので、俺は社長室の扉を叩いた。
「どうぞ」
望月さんの声が飛んできた。
「社長、今お時間大丈夫ですか?」
「ああ、どうかしたかね?」
「出版社から写真が送られて来たので社長にも確認していただければと思いまして」
俺は社長に写真を渡した。
「まあ、君がいいと思えば構わんが一応見せてもらうか」
望月さんはその場で写真を確認していった。
「まさか、集央出版の雑誌グラビアまで取ってくるとは思わんかったな。俺でもあそこは通すの難しいのに」
「まあ、たまたまご縁があっただけですので」
「それでも凄いもんは凄いんだよ。いいんじゃないか。よく撮れてる」
望月さんは俺に写真と封筒を返して来た。
「分かりました。ありがとうございます」
「そういえば、Whiteにこんな仕事の依頼が来ていたぞ」
望月さんが俺に一枚の資料を渡して来た。
「アイドル雑誌掲載の依頼ですか」
その雑誌はアイドルに特別詳しいわけで無い人も見たことがあるレベルの雑誌だった。
「ああ、うちとしては断る理由はないが、最終決定は任せる」
「分かりました。メンバーには共有しておきます」
俺はその資料も受け取った。
これもメンバーに共有しておこう。
確か、今日は午後から事務所に顔を出すという予定になっていた。
俺はそれまでメールのチェックに返信、日程の調整などをしたいた。
そんなことをしているうちに午前中は終了した。
そして、午後の1時くらいにWhiteのメンバーが事務所にやって来た。
「「「お疲れさまでーす」」」
「お疲れー。会議室取ってるからそっちで話そうか」
「分かりました」
俺はメンバーを連れて予め取っていた会議室へと向かった。
「じゃあ、早速本題と行こうか」
俺は何枚かの資料をテーブルに並べた。
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