第33話 四宮渉という男(White目線)
Whiteのメンバーはプライベートでも仲がいい。
一緒に遊んだり、ランチしたりしていた。
「四宮さんが来てから色々変わったよね」
「確かに、あの人凄いと思う」
「確かにね」
3人は今日もよく行くカフェでランチをしていた。
「まだ1ヶ月くらいなのにね」
莉奈はどこか嬉しそうに言った。
四宮渉という男がWhiteのプロデュースに携わってから約1ヶ月。
仕事の量は倍以上になったし、仕事の幅も広がっていた。
通常ではあり得ないスピード感である。
「何であんな凄い人たちと知り合いなんだろうね」
「裏があるのかもよ」
「そうなのかな……」
そんなガールズトークに花を咲かせていた。
「四宮さんについて行ったらぶっちゃけどこまで行けると思う?」
美穂が莉奈と友梨に尋ねた。
「私は上のほうまで行けるんじゃないかと思います」
「私も、四宮さんについて行けば安心なんじゃないかと」
四宮の知らない所でもメンバーたちの信頼を勝ち取っていた。
「でも、あのユメミヤをプロデュースした人が私たちに目をつけてくれるとは、人生何が起きるか分から無いもんだよね」
「たしかにねー」
莉奈は美穂の言葉に納得していた。
あの時、莉奈が四宮にビラを渡さなかったら、今頃こうはなっていなかっただろう。
また、あのタイミングで四宮がクビになっていなかったら、この出会いはなかったわけである。
まさに、人生何が起きるか分からないということである。
チャンスは色々なところに転がっている。
「今度、何か四宮さんにお礼したいよね」
「確かに、いつも頑張ってくれているしね」
「いいと思います」
女の子たちの間で何やら話が進んで行った。
「一人ひとり個別でお礼するってのはどう?」
美穂が言った。
「それはいいアイディアです!!」
「私も、異論は無い」
莉奈と友梨も納得した。
「じゃあ、次の仕事が上手く行ったらにしようか」
「それがいいと思います」
Whiteのメンバーは四宮に何かの形で感謝を伝えることにした。
もちろん、現状で満足しているというわけでは無い。
四宮と出会う前と後では断然に今の方がアイドルらしいことができている。
それに対する感謝の気持ちなのである。
「そういえば、歓迎会らしいこともできていませんでしたからね。ちょうどいいかもしれません」
シンプルに忙しかったというのもあるが、四宮の歓迎会もまだできていなかった。
Whiteのメンバーは歓迎会も兼ねたお礼をしようと決めたのであった。
「四宮さん、喜んでくれるといいけどね」
「だね。でも、四宮さんも多少は休んで欲しいからね」
「確かに、いつ休んでいるか謎です。いつメッセージしても返って来ますし」
今度は四宮がいつ休んでいるのかで盛り上がりを見せた。
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