魔法の時間

優香は中学生の頃、今よりも人見知りで、よく家で過ごしていた。

ただ、晴れている日に家にこもっているとなぜか気分が下がる。きっと同級生のみんなは近くのショッピングモールで買い物を楽しんでいる。自分はこんな天気でも外に出たくないし、いつまでもウジウジしている。

でも雨の日は別に出なくてもいい。雨だからという理由で家でまったりと映画を見て、本を読んで。あのころ学校が息苦しかった優香には、雨の日は魔法の日だった。自分の好きなことをする、優香の大事な大事な時間だったのだ。


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