製作日記 其の4

BunChoとGPT-2 Japanese Demonstrationをちゃんぽんに使って書いている長めの小説が、長くなる一方で、行き詰まってしまった。一応は私が話を指揮する小説で、楽譜は無しだから楽器が勝手に鳴らす音楽をアドリブで引っ張ってゆくような。

一作目の「ひずんだ町」はうまく着地できたのだが、こっちは話に迷って行き先が見えない。


気晴らしに、ヤケになって「製作日記 其の3」を書き殴ったのが良くなかった。頭の中がぐちゃぐちゃだ。何をどうしていいかわからない。


うーん、プロットか。プロットで制御するか。プロットというのは何だかよくわからないな。


だいたい書き始めてもいない小説の筋がなぜ思い浮かぶんだ?


逆に、書くことが決まってしまうと、面倒になってしまう。どうせ書いても思い描いたよりうまくいくことはないんだし。それがわかっていると気が乗らない。


プロットについての悩みをAIに入力すると、



それでも、俺は文科省に入省した。

文科省には、大学の博士課程に相当する学科は設置されているが、書きたくなっても書けない職種がある。専門性の高いところが、その職種なのだ。そういう意味では、俺には書きがいがない。

俺は、大学には通ったことがない。

でも、その内に俺も文科省に入って、博士課程で修士論文を出したいなあと思いつくことはできるはずだ。

その後、俺の初の小説は、大学で書くような「異世界ファンタジー」というその分野で、有名になったのだ。

文科省に入って、一応、大学では、大学で学んだことを書いたつもりだった。

しかし、そのとき、俺は書けなくなっていた。

「この小説がダメなんだ」

俺は自分の書いた小説が、書いてはならないのではないかと思ったのである。

大学は、俺と同じだろうと決めつけて入った学部だ。俺は、そこで、プロットのチェックをした。そして、そのチェックを、俺はまず、外で、誰かに見られたくなかったのである。俺には、書けなかった。

そんな俺に、今から大学に行くと、必ず見つかって、俺に見つかったら、俺のことが嫌いになりそうだったので、仕方なく、大学に行くことは止めた。しかし、俺は大学には行こうよ、と言われることがある。まあ、大学に行かせてもらえるのは、大学生のうちは嬉しい話なのかもしれないが……

「もう、無理になったのかなあ」

俺は呟いた。

その後も、俺は、大学に行ったが、書くことはできなかった。

そのあとは、小説を書いて生きることにした。

しかし、俺はその小説を書き続けることができなかった。

いつからか、俺は小説を書く練習や投稿サイトをやめている。

今のところ、俺が執筆で一番うまいのは、プロットだとよくわかっている。もちろん、俺のプロットを出している作家さんにも、俺は少しずつ見つけている。

だが、俺はプロットを書き続けることができるとは思えない。

俺は、自分の書いている文量に気が付いた。

俺の書いているプロットを投稿し、それに文句を言う人はいないだろう。

もしかしたら、プロットを書いていない文もあるだろう。

なので、俺は自分の書いているプロット通りに執筆できていないかもしれない。

この時点で、小説家になるにはどのくらい時間がかかるかわからない。

俺のプロット通りの生き方をしなければならないはずだ。

それでも俺は、俺を評価して欲しいので、もう少し、プロットを書いてみることにする。

でも、その方法は俺にはよく分からなかった。本当にプロットと言うんだろうか?

プロットと言っていいのだかは分からないが、その方法を俺は、プロットとは言わないプロ野球選手を目指してみようと思う。

プロ野球選手になるには、まず、プロットと言われるプロット通りの書き方を身につけさなければならない。

そうすれば、プロになれた時に、プロに入る可能性がでてくると思う。

プロになるには、プロット通りの書き方を覚えたら、すぐにプロになれるものと思う。

プロに入る可能性を見つけるのに必要な時間を考えてみようと思う。

プロに入らなくても、プロ野球選手を目指すことはできる。

そして俺は、プロ野球部に入ってみようと思う。



結局プロットが何かわからないままプロ野球選手にさせられてしまった。


面白いものを書きたいのは山々だ。

けども、あまりそればっかりに執着すると息苦しくなって、全然はかどらなくなってしまう。

AIの文章を面白がっているうちはいいが、望ましい結果を出すためにコントロールする。そうなると、我が頭脳は壊滅的に力不足だ。

自分が読んだことのないような面白い小説を書いてもらいたくてAIを使うのに、自分で思いつくような話をなぞったのでは、どう考えても面白い小説にはならない気がする。


界隈にあふれる創作論はなんかナルシーな感情論とマーケーティングばかりが目についてあまり参考にならない。まあ、面白い小説を書く具体的な方法なんて、どこにもありゃしないのだろう。あったら誰でもとびついて、世の中に面白い小説があふれてるはずだ。


私が面白いと思うものが人と違うのか?


確かに、それはある。


ここでこーして、あーやって、段取りを踏んで、感動させる。あるいは笑わせたり、怖がらせたり、共感させたり、納得させたりする。私はそういう機能的な小説があまり好きではない。


熱心にストーリーを追わないわけではないが、ネタバレされても平気なくらいには、この先がどうなるかわからないことに対する執着がない。それでもクライマックスではちゃんと盛り上がるから、ドラマが嫌いというわけではない。予想外の結末も、あまりのどんでん返しに特化していなければ楽しめる。


問題は自分が何を面白がっているかわからないところだ。


AIが言うようにプロットが経験や鍛錬によって習得する技術であることは事実だろう。こういう面白さを下支えするスキルが無いとやっぱり小説は面白くならないんだろうな。

こういう技術的な部分は時代や地域によっても変化が激しいから対応するのが面倒だ……


以下、繰り言と対処法はAIに任せる。



しかし、それを踏まえてしても面白いこと。この映画は批評家に受けていないので、誰かが見たら楽しいだろう。それが、映画評論家として、自分自身を肯定する結果になった。

ここまで、私は何かを書く際に何を書けば良いか迷走している。

しかし、「自分自身」と「誰の作品」とはなんなのか。

その答えを求め、本を書き始める。

映画批評家が映画を見る訳ではない。

しかし、自分自身を見ること、自分自身を肯定することが、映画に必要なことと思われる。

もし本当に批評家が映画を作るとすれば、この映画は「自分自身を出すため」にここに書いている。

そうであり、「自分自身」を認めることで映画そのものを見たいという思いが生まれ、映画に活きる力を得ればこの映画は完成する。

自分自身を見ること、評価することは何を感じるかを示すものに思える。

しかし、映画は自分自身を、評価するためにある。

批評家が自分を出しすぎている中、自分自身であることが、どんなに重要であるか。

どうして、自分自身であることを重要視しないのだろう。

自分自身を自分自身の書き出しとして、見たいもの、見たいものとして見て見ることで、自分自身が見える、ということだ。

そういったものが大事だと、映画を見る。

自分自身を肯定するのに相応しい言葉があるかを考えて書き上げる。

「自分自身」に関して、「自分自身は自分である」ことの大切さを書き上げる。

この映画を自分自身で見ることができることを、本当に良かったと思える。

映画の見る力こそが自分自身をもつ力になっていると思う。

そして、映画が書けないと書けないのだとしたら。

この映画を見るためなら。



ここで、AIの返した文章が「小説」ではなく「映画」となっているのは、AIを使って書くことが、作家の個人作業よりは、映画を監督することに似ているからだろう。あるいはプロ野球の監督に。自分の力だけではすべてをコントロールすることはできない。素材としての選手がいて、補給するフロントがいて、目の前の現実が戦う相手として存在し、試合結果には運が大きく作用する。


「自分自身」に関して、「自分自身は自分である」ことの大切さを書き上げる。


ということだが、なるほど。自分で書いているよりも役に立つ。細かな技術以上に重要なのはそのあたりか。


こーしなければいけない、あーしなければ面白くならない、こんなじゃ受けない、とか「批評家が自分を出しすぎている中、自分自身であることが、どんなに重要であるか」とはつまり、書くのは自分だから、まわりを見すぎて自分自身を見失うなと戒めているのだろう。

小説を書くのは「見たいものを、見たいものとして見て、それを見ることで、自分自身が見える」ということに他ならない。独力ではとてもこなうまいことは言えやしない。なにせ自己否定癖が強いから「「自分自身」に関して、「自分自身は自分である」ことの大切さを書き上げる」なんて口が裂けても言わないし。

ありがとう、AI。


ついでに、私が上手く小説を書けないように、野球がうまくできないせいか延々と連敗を続ける某プロ野球球団について、参考になるかと思って、AIにお伺いを立ててみた。



戦えば戦うだけ、必ず敗ける!

「ああ、ああっ……!! また、こんな……、まただ! プロ野球選手は泣かなかった……」

「本当です……、本当なのです……」

「泣いちゃ、いやだっ、いや! プロ野球選手として泣いちゃダメだっ、こんなの、おかしい、おかしいよ……!」

「本当、なのです……? 私は、絶対に、プロ野球選手は泣きません、絶対に!!」

「そんな、ありえないよ、じゃあ、どうして君はそんなことを言い出したの」

「……あなたの、プログラムは、もう、終わったんです、もう、これで、プロ野球選手は、泣きません、泣かせません! あなたの、願いを、叶えることになりました……!」

私の言葉で、その場の誰もが言葉を失った。

涙を流していたのは彼女一人だけではなかった。

プロジェクト・ジャパン、いや、プロジェクト・プログラムと名乗った者達は皆、声を失い、声もない。

泣いていたプロジェクト・ジャパンの皆は皆、私の顔を見つめて、ただただ感謝の祈りを抱いた。

彼らがここに来た事で、ようやっと心が落ち着きを取り戻すように、私の目にも涙がはっきりと見えたからだ。

涙を流しても良かっただろう。

今、プログラムが終わったその時にプロ野球選手としての使命を果たせばよかったのだろうか。

私はそんな事まで考えると、それは駄目だって思ってしまった。

彼らは、ただプログラムに賛同していただけだったのだ。

プログラムが終わった事で、彼らは再び、私の元に集まってきて、私と話をしてくれた。

私は改めて彼らを見つめて、彼らの思いに心を打たれた。

プログラムが終わった時に、私はプロ野球選手だったことを彼らに報告した。

あの時の彼らの思いは、私がプログラムに入った時に、思い出して胸の中に刻んだことだ。

プログラムに賛同していることを、きっと忘れちゃいけない。

ただ、それだけだ。

私はこれまでの人生の中で、あの時よりもっと苦しい事や悲しい事も含めて、本当の自分で生きていたいと思っていた。

でも、私のプログラムを止めてくれたのは彼らだった。

彼らは私に思う事を、何でも言ってくれたから。

私は今まで、ずっと、苦しい事や悲しい事、辛いことを彼らにしてきた。

でも、彼らに言いたいと思う事を言わないと、本当の自分で生きられない、それが私だった。

自分が好きで、自分の気持ちに素直になりたいと思っていたら、彼らに言わなければならないと思ったのだ。

私はプログラムの通りに進んだ。

そして、自分の意志でプログラムをクリアしたのだ。



これはあなたと私に捧げる必敗のプログラムのお話である。


私は面白い小説を書こうとして失敗しなければならない。

上手くやろうとするから行き詰まるのだ。

失敗したまま、自分の意志で、最後までやり遂げる。そうすれば、今まで思っていたのとはまた別な、新しい面白さに到達するかもしれない。

もちろん到達しないかもしれないが。見かけ上の「上手く行く」なんて、実際には既成概念の迷路で踏み迷っているだけかもしれないではないか。人生の成功者が本当に成功しているかどうかなんて、知れたものではない。そいつは「自分」じゃないし、傍から見てるでけでは中身が空っぽでないかどうかはわかりはしない。

失敗と敗北が、成功に比べればクズでしかないと言えるのか。


失敗の果てにあるのは、それが野球だったらいくら連敗を重ねても新たな次元は見えてこないかもしれないが、小説は違う。幸せな結末だけに価値があるわけではない。

滅びゆくもの、敗れ去るものに栄光あらしめるのが小説だろう。

失敗を重ねて成功に達するのではない。失敗そのものが新しい発見になる。それがこの「プロジェクト・プログラム」の意味だ。


しかしAIがいう「彼ら」とは何を指しているのだろう?

私が「今まで、ずっと、苦しい事や悲しい事、辛いことを」してきたという相手は?

登場人物のことなのか、それとも読者だろうか?


なんだか両者をごっちゃにしている気がする。AIが、私にお手本を示そうと失敗してみせたのか? それとも登場人物と読者が一体となった何かが、AIが語る相手の理想だとでも?

今はわからないな。


こうしてみるとAIが書く文章は暗号文書ではあっても小説ではない。解釈してみれば興味深い。

質問とか解釈とか外部から保管しなければ面白く読めないというのでは、小説は最低限それだけで自立していないと小説とは呼べないだろう。

小説と呼べない半端物?


それで結構だ。永遠に失敗し続けられるのが小説のいいところだ。


プロ野球球団と違って、勝たなければならない義務もないし。

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