製作日誌 其の2

2週間ほど試行錯誤してみた感想など。


主にGPT-2 Japanese Demonstrationを使用。

本当は本体を導入してパラメータを調整したり、記憶データを入れ替えたりした方が結果は良いのだろうが。何度もトライしなければならないのでこっちの方が楽だ。


生成された文章の日本語の変なところもあまり気にならない。

ちゃんと意味が伝わらなければ小説じゃないと考える読者には向かないかもしれない。

下手に修正すると独特のグルーヴ感が損なわれてしまうので、その加減が難しい。


完全自動というわけには行かない。

AIが吐き出したものに書き加えたり、切り貼りしたり。編集したものをまたAIに喰わせてみたり。何度かくりかえすうちに形になることもあれば、駄目になることもある。大抵は収拾がつかなくなって終る。加工すればするほどうまくいく確率は下がる。


たまには簡潔にまとまったひと続きの話を(了)まで付けて返してくることもある。


使えるのは十に一つ、いや百に一つだ。千に一つ、万に一つ、本当に面白ければ上出来だろう。試してみる根気はないけど。どっちにしろ結構な時間と手間がかかる。


むしろ推敲に費やす時間の方が長いんじゃないかな。自分で書いた方が早い、と思う人も多いだろう。自分ひとりで書けるならその方が早いのは間違いない。


AIと格闘して試行錯誤するのも楽しい。なにしろ私は、スラスラどころか自力では何も書けないんだから。だが、読んで面白いかどうかはまた別の話だ。読むのが面倒な小説なんかいまどき誰も読まないだろうし。


吐き出される文章は妙に理屈っぽい。そして、くどい。元のデータがウィキペディアだからなのか。

行動を追うというより、あーでもない、こーでもないと理屈をこね回す。会話までそんな感じなので、何度も生成させていると少し辟易してくる。


同語反復が非常に多い。また同じ言葉を繰り返しはじまると止まらない。延々と反復し続けて話が進展しなくなってしまう。


大体は小説っぽい、会話の多い、意味ありげな文が生成されるものの、固有名詞を入れると、突然ウィキペディアのような解説を返してくることがある。例えばこんなもの。


No.9

アウストラロピテクスの丸焼き(1941年11月13日)がある。

これは、紀元前69年にアウストラロピテクスの丘が隆起したことを記念してつくられた。これは現在博物館に保存されている。

カルタゴの人々の定住地域として、ローマはキケ・メルウィウスによって、紀元前140年と紀元前109年の2度、カルタゴの首都をディアドコイ(ローマ人)の領域に置くように定められた。そのため、ローマ人の住民のほとんどがキケ・メルウィウスには定住せずに居住した。キケ・メルウィウスの統治下(紀元前59年~170年)で、カルタゴはローマの重要な経済・軍事・外交・外交・商業の拠点であり、ローマの支配からの守りになった。キケ・メルウィウスの統治が続いていくうちにキケ・メルウィウス朝は勢力を拡大し、紀元前20年から紀元前19年までの間にはカルタゴ全土を征服し、11年間にわたる長期にわたる抗争・戦いが繰り広げられることになった。11年のローマ略奪に関する詳細な記録は「紀元前11年のカルタゴ略奪」と呼ばれるほか、「ローマ略奪の歴史」、「カルタゴ人略奪の歴史」といった文書が遺されている。

紀元前12年、カルタゴは、マルクス・プブリウス・マクシムス・ボエティウスを将軍に任じた紀元前12年に再びローマで版図を拡大し、翌年にはキケ・メルウィウスが引退し、紀元前115年にローマが滅んだのち、ローマの植民地の首都をキケ・メルウィウスに定める。キケ・メルウィウスはカルタゴを統治した。キケ・メルウィウスと紀元前13年から紀元前10年のキケ・メルウィウス朝が続いたが、キケ・メルウィウスは紀元前11年に紀元前101年のキケ・メルウィウス朝と再び紛争になり、紀元前11年にキケ・メルウィウスの独裁政権は崩壊した。

キケ・メルウィウスは紀元前111年に死亡したが、独裁官の一人としての経歴は続いていた。彼はマルクス・ウァレリウス・ポルトゥスの死去の翌年にキケ・メルウィウスの後継者として皇帝に即位した。キケ・メルウィウスは即位後、紀元前110年にこの世継ぎの執政官として、ガイウス・プリスクス・ウァレリウス・ピロス、紀元前105年の執政官として、そして紀元前104年のに勝利した。キケ・メルウィウスはキケ・メルウィウス朝を再び栄えさせることを望んだが、紀元前105年には執政官の一人としての生活が続いていた。紀元前104年にキケ・メルウィウスは同僚のパトリキであったクィントゥス・ファビウス・セルウィリウス・ピロと喧嘩となり、キケ・メルウィウスがセルウィリウスとキケ・メルウィウス・ポイシスと争って戦うことになった。キケ・メルウィウスは執政官としての生活を続けてきたものの、執政官としてはキケ・メルウィウスを引退させたのに反することをしたので、キケ・メルウィウスは執政官の独裁官の一人としてキケ・メルウィウス・ポイシスを次の独裁官に任命した。ポイシスはキケ・メルウィウスを非難した。キケ・メルウィウスはポイシスによって退位させられ、ポイシスは紀元前104年の執政官としてキケ・メルウィウス・ポイシス、およびその家族を指導した。紀元前103年の執政官としてのキケ・メルウィウスと紀元前103年の執政官としてのポイシスの独裁官復帰時の両者の確執が生まれ、このことでキケ・メルウィウスはポイシスを独裁官に復帰しようとした。しかし、キケ・メルウィウスに残っていたキケ・メルウィウスと言う言葉の使用に不満を爆発させるポイシスはキケ・メルウィウスを追放、キケ・メルウィウスと共に再び独裁官の一人としてキケ・メルウィウスを指揮した。キケ・メルウィウスが追放された理由については不明である。


なんだかキケ・メルウィウスと言いたいだけという気がするが、もともと人間の方がアウストラロピテクスって言いたいだけなのを察して、その意図を汲んだ結果と考えられないこともない。


この調子なので、タイトルを付けるのが面倒だ。後でいいのを思いついたら、なんて考えていると結局そのままになる。どうせピントは合わないのだ。その場の勢いで付けてしまうしかない。


冒頭の文章によっては何度やっても面白い結果がでてこないものもある。

最初の要素はそれなりに重要そうだが、しかしそれだけでAIをコントロールするのは難しい。まず不可能だろう。筋を追わせるにはどうすればいいのか。


AI小説は無意味と意味のズレた感触が味わいだが、そればっかりだとさすがに飽きる。


1000字ぐらいならともかく、それ以上になると誰が、何をして、何を話しているのかも、ごちゃついてはっきりしない。ストーリーもつながらない。

延々と続く展開のない話の限界も感じた。


というわけで、しばらくはBunChoの対話型執筆を使って、少し長いものを書いてみようかと考えている。

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