夢日記
『夢日記・五月十一日』 【エッセイ?】
※過去の夢のメモ書き転記
※全部夢です
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2023年5月11日に見た夢。
ひとつめ。
かなりうろ覚えだ。
覚えているのは、スモークが焚かれていて、空気が青や赤にちろちろと揺らめいている。まるで炎のようでもあるが、熱く感じたりはしていないと思うし、周りも焼けこげたり、或いは火事の時のような緊迫感はなかった。
古い純日本家屋──の畳の上で、私はよくわからない師範に剣の腕を見せろと言われた。
「やったことがないんですが」
そう訴えたが、師範からはこうするだけで良いとだけ言い渡された。
まず、膝立ちになる。その状態で剣は青眼にかまえる。振り上げたと同時に立ち上がり、膝を曲げて勢いよく振り下ろす。
一体何の型なんじゃい──と思いつつも、私はこれが全くできなかったのだ。何故か構えは下段に(畳にぶつからなかったのは夢だから)、膝立ちが叶わず何故か跪坐で、振り下ろしも振り上げに変わっている。
「まあ、死にはしないし」
誰かからそう言われて、私はもう一度構えて────そこで記憶は途切れた。
+++
ふたつめ。
私の母校にはちょっとした劇場のような大きなホールがあった。千人弱の生徒を収納するくらいのサイズだ。二階建てのその建物の内装についてはよく覚えている。薄桃色の床、竹皮ような色合いの椅子。舞台もそんなに狭くはなく、イベントの度に演劇だとか、吹奏楽だとか、或いは何かの記念ミサだとかがおこなわれていた。
上を見上げれば、舞台のすぐそば、上手と下手に色のついたパラフィルムが備えられた照明装置が見える。ここには人が立ち入るから、よくカーテンが閉められていた。
そこに、生徒が座っていた。私はその側に立っている。
先はほとんど埋まっていた。下級生も上級生も見覚えのある顔ばかりなのだが、私の座るべき椅子がわからない。
「何処に座ればいいの?」
手近な子に聞いた。同じ顔が此方を見上げる。双子だった。
「出席番号順」
双子は笑った。出席番号順と言っても複数クラス、複数学年が入り乱れてるここで? と私は首を捻る。
「ここにいていいの?」
「ダンス踊るんでしょ」
そういう類のことを聞かれた気がする。
「私が? さっきの剣道みたいなやつ?」
聞いたが、これには答えてくれなかった。
そういえば、この子は双子だったっけ? 私はあまり気にしないままにした。
早く座れとアナウンスが急かして、けれども席の検討がつかない私は仕方なくロビーに出た。
外に並んでいた同級生を見て、咄嗟に私は
「ああ、そう言えば私たちの入場はこれからだった!」
そう思い出した。
「やっと来たんだ」
大晦日の大トリでも飾りそうなくらいに、或いは大階段を降りてきそうなくらいに煌びやかな衣装を見に纏った子が声をかけてくれた。
「ダンス、練習してなかったけど平気?」
何故か私はソロダンスを披露することになっていた。
いっけね、忘れてた──!
ちなみに私は運動音痴だし、何より音楽的にも音痴だ。創作ダンスなんて中腰でエアタンバリンを狂ったように叩きながら優雅さの欠片もなく跳び上がって反復横跳び…………が精一杯の人間だ。全校生徒の前で、ぶっつけ本番ダンスなんて──てっきり剣道的なアレの披露だとおもっていたが、何故そんな勘違いをしたのだろうか。私は剣道に憧れはあったが、やったことはただの一度もないと言うのに。
さて。
扉にひっかかった誰かの衣装を丁寧に外しながら──引っかかってると言うのに当人はずんずん先へ行くから困る──私は必死に頭を回転させた。
そこで天啓が与えられる。
「あ、私、唯一マツケンサンバⅡなら踊れるわ!」
何故かちょうど金色の上着があったりして私は大慌てで動画を見て腰元ダンサーズの動きを思い出そうとした。かなりうろ覚えだったのだ。
在学当時は持っていなかったはずのスマートフォンで、あらかじめ買っていたミュージックビデオを漁ったのだが……。
私のスマートフォンから爆音で流れたのは女児向けのアイドルアニメのキャラクターソングだ。プリズムギャラクシー。この曲でもいいけれど、サイリウムもなければ盛り上がらない、と決め込んで私は慌ててマツケンサンバを探す旅に出た。
なお、ホール内で爆音で音楽を流していると言うのに、私も誰も気にもとめず、ついでに周りは「はやく! 出番きちゃうよ! 音源のディスクはないの?」と聞いてくるばかり。
同級生はリハーサルのつもりか、リオのカーニヴァルさながらに踊り出す。私は必死に音源を探す。
しかし、おかしい。確かに買ったはずなのだ。
迫り来る順番、慌てるばかりに女児向けアイドルアニメソングを流し続け、こうなったらいっそ────。
覚悟を決めたはずなのだが、結局どうしたかは覚えていない。
+++
みっつめ。
これはシンプルだ。10分未満の寝坊をした。
なんでアラームが鳴らなかったんだ! 私はスマートフォンを見たところ、バグが発生していたことを一瞬で理解した。
何故なら、『00月9999日0666:0662』といった具合で日付が表示されていたのだ。ちなみに数字は覚えていないのでかなり適当である。
「めちゃくちゃ0と6あんじゃん」
と夢ながら思っていた記憶があるので、仮にこうしておく。
「ああ、日付が今日の日付じゃないからアラームが鳴らなかったんだねえ」
私は納得した。なんというトンチキ仕様のスマートフォンだ。
しかしながら遅刻した事実は変えられない。
私は大慌てで起き上がると、メガネをかけるのも忘れてテレワーク部屋に駆け込んだ。視力0.01の乱視アイなのに強気なことだ。
PCは幸い立ち上がっている。あとはZOOMを接続して、なんて言えば伝わるかな、しかしこれはアホみたいだぞ────頭を抱えて、そこで、目が覚めた。
先にメールしようね、夢の中の私。
+++
目が覚めてすごく焦ったのは言うまでもない。
寝坊した!
ダンスどうしよう!
最初の剣道のやつでいいか!
そこまで考えて、ようやく夢だと気がつく。時刻、6時30分ごろ。夢でよかった!
【ここまで】
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