第5話 復讐準備
まず、ヒロインの聖なる力をはね返す魔のブレスレットを手に入れた。
その品物を得るためには、(かなり分かりにくい場所にある)秘境へ行かなければならなかったし、見つけるのに時間がかかってしまったが、ゲームの設定資料集を読み込んでいた私だから、かろうじてやり遂げる事ができた。
しかし、大滝の中にもぐって、滝つぼの穴から拾い上げるなんて、誰が普通するのだろうか。
おかげで「へくちっ」と、風邪をひいてしまった。
次に邪神の力を強化するために、生贄を集めた。
ヒロインの友人や知人を狙って、ぐさり……とやるのは可哀そうなので各家庭の奥様方を困らせている害獣を駆除してぐさり。
その過程で「まあまあ、わざわざありがとうございます」とか言われてしまったが、勘違いしないでほしい。これはただの血なまぐさい復讐の一過程だ。だって血がでてるし。
それで、集めた動物達の血と臓物を生贄にして、邪神の力を強化。
邪神の力が、ほんのちょっと強くなった気がした。
その関係で、邪神の考えている事が何となく伝わってきたような気がするが。なぜか呆れられているような気がするのは気のせいだろう。
邪神はそんな声で「お主は馬鹿か、馬鹿なのか!」とツッコミを入れたりはしないはずだ。
最後にヒロインたちが集う宮殿にしのびこんで、魔をはじく結界を解いた。
番犬に追いかけられて大変だったので、町で買い込んだビーフジャーキーを買い与えたら、逆になつかれて離してくれなかったのが困った。
どうやらその犬たち、不当な労働を強いられていたみたいなので、皆あばら骨が見えるほどやせ細っていた。
ちょっとかわいそうだったので、首輪を外してあげた。
別に親切とかじゃない。
私が動きやすいように、障害を排除しただけ。
ともかく、これで準備は整った。
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