第3話 邪神にとりつかれた
ある日、家族旅行で出かけていた私は、邪神が封じられている祠を見つけてしまった。
遠くの地方に出かけていたという事もあって、ついついはしゃいでしまい、一人で行動していたのが良くなかった。
その祠は決して近づいてはならない場所だったというのに。
乙女ゲームのシナリオで、そこに邪神が封じられている事が分かっていたから、間違っても近づかないようにとずっと前から考えていた。
だけど、何の因果なのか盗賊と居合わせてしまって、祠の所へ逃げる事になってしまったのだ。
それで、祠に近づいた私は、邪神の邪悪な気にあてられてしまい、本来の悪役令嬢のような性格になってしまったのだった。
我儘で、傲慢で、強気で、嫉妬深い。そんな悪役令嬢に。
幸いなのは、目覚めた邪神パワーで盗賊を撃退した事だ。そのおかげで命の危機は免れた。
だけどそのせいで、成長してから断罪されることになってしまった。
邪神の力に触れた私は、立派な(?)悪役令嬢になってヒロインを虐め、様々な嫌がらせを行った。
必死に邪神に抵抗しようと思ったけど、その努力はあまりかなわずに、断罪される身になってしまう。
確かにうかつに一人で行動して、祠に近づくようなきっかけを作ってしまったのは私だ。
でも、これではあんまりではないか。
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