第2話~ガールズトーク

ガールズトーク



リズ「あ"ー!付き合うって

   なんなんだよー!」


イコ「、うんうん」


リズ「好きです、付き合ってください。

   高校生かっつーの。」


リズ「イコ?私悪くないよね?」


イコ「うんうん、リズは悪くないよ」



  何回目になるだろうか、

   恋叶わず、嘆くリズ。

  うんうんと、聞く私。



リズ「向こうが好きだって言うから、

   私だってさ~、、」


  好きな時間。

  同情はない。


リズ「あっちが好きとか言わなかったら~、」


イコ『同情?同情なのかな?

    ジンは何て言うだろう?』


イコ「、うん」


リズ「、、、もーいー!」


イコ「リズー、ごめんー」


  足早に私の家に歩きだすリズ。


イコ「リーズー待ってよー」


  追いかける私。



イコ「りず。なんであんな人のこと、

   好きになっちゃうの?」


リズ「、かっこよかったんだもん。」



イコ「、あーあー。リズがいいなら、

   いいけどさ。」


イコ「リズ、きれいなのにもったいないっ。」


リズ「、、」




リズ「ただいまぁ」


イコ「ただいま。」


リズ「イコ。甘いのある?」


イコ「あったかな?」



イコ「プリンとコーヒーゼリー」


  どっちもリズの好物だ。



リズ「イコどっちがいい?」


イコ「、プリンかな?」


リズ「わたしもプリンがいいなぁ」


イコ「、じゃあコーヒーゼリー」


リズ「、コインで決める?

    表がでたら私がプリンね」


イコ『はいはい。表をだすんでしょ』


イコ「はーい」


リズ「あ、表だ。私がプリンね。」


イコ「うん。」


  リズはソフトボールをやっていた、

   高校でも4番だった。

  その頃のリズは、

   練習をさぼりがちだったが、

  試合の度にヒットを打っていた。


   リズは頭がいい。

  高速で情報を処理する事と、

   情報を絞る事を同時にする。


  ボールが、遅く見える。


  頭の回転が早い、というやつか?


  だから、リズが投げたコインは、

   リズが出したい面でキャッチされる。



リズ「プリンうまいっ」


イコ「コーヒーゼリーうまい」


リズ「、。交換する?」


イコ「しない。」


  そんなリズは、熱心な指導が疎ましく、

   学校の外で遊ぶようになっていった。



リズ「ねぇ、もしさ。」


イコ「、んー?」



リズ「、イコと私が、

   同じ人を好きになったら、

  どうしよう。」



イコ「そんなこと、ありえないでしょ」


イコ「、それよりさ、またソフトボール。

   やってみるのどうかな?」



リズ「バーカ。」


  私も頭がいい!

   私のはテレパシー受信、かな。



イコ『、リズのテレパシーは

    たまにわからない。』


リズ「、イコ、テレパシーの話。

   、してくれたじゃん。」


イコ『、、わからない。』


イコ「、うん。」 


リズ「どうやったら、できるようになる?」


イコ「、、リズだって、わかるでしょ?」


イコ「この人嘘ついてるな。

   とか、わかりやすくない?」


リズ「、わかるかな?」


イコ「、、、」


リズ「、でも、」


イコ「いい男は、あんまりいないよ。

   それが正解なんじゃない?

  、、でも、だよね。」


リズ「、。」


イコ「リズは悪くない!」



リズ「んふふ、ねぇ、魔法して。」


イコ「えー。自分でできるでしょ。」


リズ「やってー」


  そう言って、

   リズは私がもたれ掛かっている

  ソファーに、回り込み、横になった。


  毛布をあごまでかけて、

   子供みたいだ。


イコ「笑わないでよ。」


  そっと、リズのおでこに、手を添える。


  魔法をかける前から

   リズはリラックスしていた。



イコ「リズ。。リズはね。本当はね。

   お姫様になるはずだったんだよ。」



イコ「お姫様っていうのは、テレパシー発信、

   っていう能力がすごく高いの。」


イコ「いちいち言葉にしなくても、

   リズの感覚、気持ちは、

  まわりに感染していくの。」


イコ「みんなもってるけど、

   リズのは強い。

  リズが楽しいと。

   周りのみんな、楽しくなる。」


イコ「リズが、中心にあるべきなんだ。

   そんなお姫様。」



イコ「幸せになりたいって思ってるだけで

   好きになられちゃう。」   


   

リズ「みんな私の事好きなの?」


イコ「うん。リズが好きになる人は、

   みんな、リズの事好きになるよ。」


リズ「なんで?」


イコ「、それはわからない。

   リズが発信源なの。」


イコ『ジンも、リズに、、』


イコ『ちがう。、リズはそれが嫌なのかも。

    巻き込まれたい、

   操られたいのかも、、』



リズ「私がイコの事好きだから

   イコは私の事好きなの?」



イコ「大丈夫。リズが私の事、

    嫌いになっても。

  私はリズの事、好きだよ。」


リズ「あは。嫌いにならないよ。」



イコ『リズはわからないけど、

    ジンをとられることはない、

  、ね。』



リズ「ねぇ、天然教。

   新しいのだした?」


イコ「、あ、でてた!みる?」


  天然教は、最近見つけた

   YouTuberだ。

  胡散臭い仮面を被り、

   君も天然教に入らないか?

  なんて、冗談っぽくやっているのだが、


  テレパシー受信強が反応する。

   この人達は、本物だ、と。


  それよりも、微かに、

    ジンの匂いがする。



リズ「起きたら見よう。」



イコ「、、」


  リズはわからない。



イコ「。力を抜いて。」



イコ「がんばったね。


    疲れたね。


  全部やめて。根元の導きにゆだねるの。


   今だけ、駄目になっちゃいな。」



イコ「何にもならなくていい。


   力を抜いて、本当の自分に。」



イコ「いつか、リズのすごさ。


   わかってくれる、いい人が。


  きっと、迎えにきてくれるから。」



イコ「リズは、その人の隣で、


   すごく幸せになって。


  その人の事も、みんなのことも。


   幸せに巻き込むんだよ。」



イコ「きれいでかわいい。


   心をもった、お姫様。」




イコ「おやすみ。」



~つづく。

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