世界

@urufa

第1話~置き土産


  勉強ができず、人付き合いもうまく

  できない私は、自分の部屋によく

  閉じこもっていた。


イコ『もっとよく考えろ。、、

  そんなこと言われたってなぁ』


  『考えるって、、なんだろ?』

  『考えるってどうやるんだ?』


  時間だけが過ぎていく

   ありきたりな時間

  そんな時、彼は現れた。


イコ『ん~、、、、煙?』

  『だれ?誰かいる』


  おどろく所だったのかも

   しれない。

  気がつくと部屋に誰かいたのだから。


  こわいって思わなくって、

   なんか、うれしくって。

    私はそいつに話しかけた。


イコ「ねぇねぇ」


  「、、、、、」


イコ「ねぇってば。」


  タバコをふかし、私を見たそいつは

  フフっと笑った。


イコ「なにしてるの?」


  「、、考え事」


イコ「なに考えてるの?」


  「、、。、、、」


イコ「ふぇーぇー

   私も考え事しよっと。」


  煙を吐いては、

   ぼーっとするそいつ。


イコ「考えるって、どういう事?」


  「、、、、」


  「、、考えるっていうのは、

  生きている中で、積もっていく情報、

   経験を繋ぎあわせる事、

  、、、また、その繋がったものを

   引き出すことに、

    使われる言葉、?」


イコ「経験を繋ぎあわせる?

  、どうやったら繋がるの?」


  「、、イライラしたり、

    夜夢を見たり

   ぼーっとしてる時に

  頭の中のデータが

   結びついていくような、

   そんな気がします。」


イコ「だからぼーっとしてるのか」


  「。」


イコ「私、将来の事もっとよく考えろ。

  って、言われちゃったんだけどさ、

  、、わかんない。」


  「、、。」


イコ「やりたいこと、

  なりたい自分。ちっちゃい時は

  あったんだ。

   好きな遊びがころころかわって

  ずっと遊んでいたくて、」


イコ「夢だって、大きくなったら

  きれいなお嫁さんになるの。

  って、」


  「。」 


イコ「でもさ、なくなっちゃった。」


  「、、、、、」


  「生きていて、つまらないですか?」


イコ「つまんない!なんかやだ。

  、私、だめなのかな?」


  「駄目ではないと思います。

  本当にしたい事があるのでは?

   それと、現実がかけ離れている?

  それで、苦しい?」


イコ「。」


  「、、がんばっている、

  もがいているのですかね」


イコ「、、、」


  「ごめんなさい」


イコ「いえ、、、」


  「、、」


イコ「あなたって不思議、

  いつの間にかそこにいたし。」


イコ「名前教えてよ、

  私はね、イコ!」


  「ジンです」


イコ「ジン!名字は?」


ジン「、、、たばこですかね」


イコ「たばこジン?

  絶対うそだ、なんで嘘つくの」


ジン「ふふふ」


イコ「ジンって知ってる、

  ランプの精だよね。

   願い事3つ叶えてくれる。」


ジン「それとは違います」


イコ「3つか、何にしようかな」


ジン「叶えられませんよ」


イコ「ジンならできる、

  だってジンじゃん。」


ジン「、、。」


イコ「1つ目決まった!

  私を、女王様にして!」


ジン「、、、、。」


ジン「女王様になって、何を

  するのですか?」


イコ「秘密」


ジン「知りませんよ」


イコ「はーやく。」



ジン「私達がいるこの星が、

  どんな形をしているか知っていますか?」


イコ「?、丸でしょ」


ジン「そうですね。

  では、なぜ丸いのでしょうか?」


イコ「なんで、だろ、、、」


ジン「、、、」


イコ「丸い星しかないみたいだから、

  なにか理由はあるんだろうけど。

   わかんない、なんで?」


ジン「星が丸くなくなったとき、

  星は、再び丸くなるからです。」


イコ「なんか、変な答えなような、」


ジン「そうですか?

  大事なのは、どうやって丸く

  なっていくか、」


イコ「これ、女王様になるための勉強なの?」


ジン「そうです。

  たとえば星に大きな穴があいた。

   すると、大雑把に北半球と

  南半球、重さが違うことになります。」


イコ「うん。」


ジン「同じ重さだった時、釣り合いが

  とれていたもの、

   どこかが軽くなったことで

  重さという押す力に差ができた。

   生じた力の差はどこにかかり、

  何が起きるでしょうか。」


イコ「!この星だ」


ジン「。」


イコ「この星は、いつか丸くなくなった。

   だから、海ができて、大気もできて、

  植物も、命もなの?

   暖かいのも?」


ジン「女王様の資質があるみたいですね。」


イコ「私がこの星を救って、

  女王様になるってことなの?」


ジン「。」


イコ「丸くなくなるほど丸くなる力は

  強くなって、星は荒れる、」


ジン「。」


イコ「星が丸くなくなってるのは

  人のせい?

   それで、災害はつよくなって、

  、、住めなくなる、」


ジン「はい」


イコ「。」


イコ「だとしても、私には無理だよ、

  もっと、キラキラって魔法で

  女王様にしてよー」


ジン「あなたならできると思うのですが。」


イコ「やーだ」


ジン「、、、、」


イコ「、、じゃあ、二つ目のお願い。」


ジン「。」


イコ「年をとらないように、

  老化しないようにして。」


ジン「わかりました。」



ジン「老化する理由は、

  主に痛み苦しみのストレスから、

  逃げるからです。」


ジン「生き物には、環境に適応する力が

  あると考えます。

  生き物はその環境で、

  自分が生きていけないと思い、

  足りないと感じた能力を、

  ストレスとして感じ養っていきます。」


ジン「傷がいたいのは

    治しているから。

  苦しいのは、

   強くなってるから。」


イコ「、、ジンはどれくらい苦しんだ?」


ジン「どれくらいでしょうか、

  まだまだ苦しいです。

   ふたをしてしまいたいと、

  よく思ってしまいます、」


イコ「私、もう、ずっと苦しい。

  まぎらわそうとしても駄目だった、

   自分が変なのかと思ってた。

  変じゃなかったんだね。」


ジン「。」


イコ「私にあるストレスを

  全部、感じてたら、

  なりたい自分になれるかな?」


ジン「力を抜いてください。

  痛い方へ、苦しい方へ、」


イコ「わかった。」


ジン「。」


イコ「老化しなくなったとき、、

  殺されないかな?

   、因縁つけられたりして、」


ジン「鬼や魔女、吸血鬼ですか?」


イコ「うん」


ジン「とても、危ないと思います。」


イコ「、、、」


イコ「守ってくれる?」


ジン「、最後の願いですか?」


イコ「、、、」


イコ「自分でなんとかできるくらい、

  苦しんでみる、

   最後の願いは、幸せってなにか、

  教えて。」


ジン「、、。」




  ジンは

   私に近づき、そっと抱き寄せた


ジン「全部の力を抜いて、

  、全部俺のせいにして~」




  魔法にかかったように

   体の力が抜けていく





ジン「俺の事が好きになった?」



イコ「ちょっ、、まって」



ジン「力を抜いて。」






イコ「からかってるの?

  話方かわってるし、」



ジン「あ、、あはは」




イコ「わざと?」








ジン「、、、体が熱くなってきた?

  ドク、ドク、ドク、と

  なにかが体を流れていくのがわかる?」


イコ「うん。」






ジン「幸せってのは

  何かを好きでいることだと

  思うんだ。」






ジン「大人になるにつれてか、

  好きでいられるものがなくなっていく

   つまらなくなり、枯れていく」






ジン「恋に恋した事もあった?」






ジン「好きだった訳じゃない?

  なにかを、好きでいたかった?」





ジン「好きになれるものがないなら、

  俺を好きになればいい、」



イコ「、、ばーか。」






ジン「ストレスを感じ続ける他に、

  なにかを好きでいる事でも、

   人は強くなれる気がする。」




ジン「幸せは、好きは、魔法。」







ジン「、、、、、。」




ジン「好きが大好きで、

  楽しんでいた俺は、最強だった。」






ジン「また、そうなりたいな。」





ジン「寝たか?

  ゆっくりおやすみ。」







ジン「楽じゃないだろうけど、

  楽しさをさがして、、

  俺にも幸せ、感じさせてくれ」






~つづく。


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