第100話 帰還3




 トリッシュが居なくなったスタジアムの小会議室に俺は残された。


 窒素の体は空気中の窒素を集めればある程度大きさが自由になるし、ぬいぐるみの中の空気を窒素にすれば中に宿れるとトリッシュが教えてくれた。


 試しにやってみよう。


 今の俺が感じている俺の体はジョアンと同じ8歳程度の大きさだが、元の俺の体くらいの大きさにはなるのだろうか。

 元の大きさ身長175cmで、肩幅はこれくらいで、腹回りは……そこは死ぬ直前と同じじゃなくていいだろう。

 自分の体をそう認識すると、確かに空気中から窒素だけ抽出され、俺の宿る体を形作ってる気がする。


 といっても見える訳ではないし物を動かせる訳でもない。ただ俺の体がそうなったという認識と、自分の体として動かせる部分が増えたという感覚だ。


 窒素の体ということは変わらないので物に触れることは出来るが、物を掴んだり動かしたりは相変わらず出来ない。漫画版ゲ〇ゲの〇太郎のビンタのように物に何度もビンタする感じで手を素早く動かし続けると、窒素の手=空気が動くので対象物も風に煽られたように動くが、細かいコントロールは出来ないので物をどこかに乗せたりすることはできない。


 誰かを驚かすくらいのことしかできないか。


 次にぬいぐるみに宿れるかを試してみる。


 今ホワイトボードのペン受けの上に乗せられているぬいぐるみ、ライオンをモチーフにしたマスコットのレーオくんは高さ15㎝程しかない。特徴的な前髪がアクセントになっていて、柿の種が頭に付いているように見える。立ち姿ではなく、どこかに置いた時に安定する長座位の形で作られている。


 こんな小さいものに宿れるのだろうか?


 どうすればいいものか……トリッシュはぬいぐるみの中の空気を窒素にすればと言っていた。


 俺の両手でレーオくんをゆっくりと包んで見る。


 ゆっくり、じんわりとレーオくんを包んでいくと、徐々に両手がレーオくんのフェルト生地を通して中に染みこんでいく感覚になる。


 やがてぬいぐるみのレーオくんの中で俺の手が握手できる感覚になった。もうこれで多分レーオくんの中の空気は窒素が殆どだと思うが……


 どうやってレーオくんの中に入ったらいいのか……少し思案し、俺はレーオくんに手を突っ込んだまま頭に被る感覚でゆっくりと頭をレーオくんに入れてみる。


 音がする筈もないが何となくぐむむむむ、もりもりって感じでレーオくんの中に入っていってる気がする。するとある瞬間にパスッと頭がレーオくんの中に入り込んだように感じた。


 俺の頭の部分がレーオくんぬいぐるみになった感覚と言ったら良いだろうか。


 体はレーオくんの中には入っておらず、膝立ちの姿勢だ。


 試しに前に出てみようと思い膝立ちから立ち上がると、スポッと頭がレーオくんから抜け、俺の下っ腹の辺り、人間の体なら大腸の辺りにレーオくんが来た感覚になる。


 何か俺自身レーオくんと一体になった感じがしないな。


 さっきの頭がレーオくんになった感覚の方がしっくりくる。


 そう思って膝立ちに戻ってみるとまたスポッとレーオくんが俺の頭になった。


 なるほど。


 これで無理やりレーオくんの中に手足をねじ込む感覚で動いてみれば……


 俺は大きな着ぐるみを頭に被った状態で中に無理やり入り込むつもりでモゴモゴ動くと、すっぽり体全体がレーオくんに入り込んだ感覚になった。


 レーオくんぬいぐるみの姿勢の長座位になって、ホワイトボードのペン受けの上に乗っている。


 今の俺はレーオくんそのもの、と言う感じだ。


 俺の視点はレーオくんの目の位置にあるだろう。ピョインと突き出たオレンジ色の柿の種のような前髪が常に視界の上に入っている。


 俺は表情を変化させられるかやってみた。


 レーオくんの中の窒素を膨らませて頬をプクッと膨らませ、可愛く拗ねた表情。両方の口の端を僅かに膨らませて、レーオくんの元気な笑顔を少し真顔に。


 できる。


 レーオくんの手足も僅かになら空気を膨らませたりしぼませたりで動かせそうだ。


 でもそれをやってホワイトボードのペン受けから落ちてしまったら、元の位置に俺は戻せないので止めておこう。


 何とかなるもんだな。


 俺はホッとした。


 あとはこの部屋にクラブ関係者かスタジアム管理関係者が来てくれることを祈るのみ。


 この小会議室のドアのすりガラスの窓の外は非常誘導灯の緑の光が見えているが、段々とその緑の光の周囲が明るくなってきていて、夜が明けつつあるようだ。


 昼間なら誰か来るのではないだろうか。










 だが結局あれから2昼夜経ったが、誰も来なかった。


 思えば俺が死んだのは2月。


 サッカークラブは新シーズンの始動はしているのだろうが、活動場所はこのスタジアムではなく専用のクラブハウスと練習場で行っている時期なのだろうし、もしかしたら温暖な地方へ行ってキャンプを行っているのかも知れない。選手たちの活動以外の営業などもクラブハウス内の事務室で行っているだろうから、スタジアムにクラブ関係者が来ることは滅多にないのだろう。


 そしてスタジアム管理者もしっかりとスタジアム出入り口とスタジアム内の各ブロックに格子シャッターが下りているので、俺の窒素の体のように気体が入ることはあっても防犯の面では心配ないようなので、そんなに頻繁に一部屋一部屋まで見て回らないようだ。


 誤算もいいとこだ。


 そして気になっていたことがある。


 トリッシュはこの世界は魂が留まれるのは7日間と言っていたが、何となく俺は俺がこの世界に戻ってから7日間の猶予があると思っていた。


 だが、「死んでから7日間」と言っていた。


 この「死んで」はどの状態を指して「死んで」いることになるのか。


 現代日本では人が「死んだ」ことになるのは、医師によって死亡が確認された時だ。


 だから病院などで闘病の末死んだりする場合は肉体の死と行政上の死は殆どタイムラグはない。


 病院で医師によって死が確認されたら、遺族は葬儀屋に連絡しその日の夜には通夜を執り行う。医師が書いた死亡診断書も葬儀屋が市町村に死亡届と一緒に提出し、葬儀、火葬の許可を得たら速やかに執り行う。


 だが、俺の場合はどうか?


 肉体の死は隕石が直撃した瞬間で間違いない。


 しかし行政上の手続きはどうなった?


 警察、消防が堤防を捜索し、俺の死体を一つ一つ拾い集め、それを医師が確認し死亡診断書、或いは死体検案書を作成でき、行政上の死を届けたのは肉体の死を迎えた後何日後だったのか?


 行政上の死を迎えないと葬儀に至る一連の流れは執り行えないのだ。俺の通夜は俺が死んでから数日経ってようやく行えたのではないか?


 多分、この世界に留まれる7日間は、肉体の死から7日間だろう。

 世界にとって行政という人間の営みは関係ないだろうから。


 つまり、俺は通夜から7日間この世界に留まれると勘違いしていたが、実際は俺の通夜が俺の肉体の死後何日目に行われたのかによっては、もう明日にでも俺はこの世界から離脱しなければいけないのかも知れないということだ。


 この世界から離脱したら、ジョアンの体に基本は戻れるだろうが、その前にジョアンの肉体が死を迎えてしまえばその保証はない、とトリッシュは言った。


 この小会議室で誰か来るのを待っている2日の間に、俺は3回程ジョアンの体に戻っていた。


 戻るたびに誰かが世話してくれているようだったが、高熱は一向に下がっていないようで目は視界一杯の白いチカチカしか見えず、耳も甲高い音以外は聞こえない状態。鼻の中も乾燥しきっていて匂いもわからず、口の中も乾燥がひどい。脈動する頭痛が頭を割るようにのたうつし、体の関節と言う関節、それこそ背骨の可動部分一つ一つに至るまで鈍痛があり自力で体を動かすなんてとても出来ない。


 自分で出来ることは、ただただ空気を求めて浅く早く呼吸するのみで死が近い下顎呼吸なんじゃないかと思える程だった。


 ジョアンの体は熱による発汗と排泄、嘔吐で水分が大分不足しており、誰かが氷を舐めさせてくれてはいるようだが失われる水分量にはまったく足りていないようだった。


 実際に丸3日間あの高熱が下がっていないのであれば、回復しても体には相当のダメージ、脳機能に障害が残ったり、生殖機能が損なわれたりするのではないかと思われた。


 こうしてレーオくんに戻っているから冷静にジョアンの肉体の状態を考えることができるが、ジョアンの肉体に戻っている間は一切物を考えられない。高熱で思考が全く働かなくなるのだ。


 あの世界には抗生物質もないし、というかウィルス性の病気であれば根治させる治療法はない。

 対症療法にしても失われる水分を補うための点滴もない。そもそも注射針もない。酸素マスクもない。


 かなり生存は難しい状況だろう。


 ただ希望的観測としては、ジョアンの体はまだ病気に抗ってはいる。もうすぐに死を迎える状態になっていたら痛みも苦しさも、それを感知する体の神経や脳が機能を止めて感じなくなっている筈だからだ。


 今まで介護関係の様々な仕事をしてきて何度も数えきれない回数看取り等で死の瞬間に立ち会ってきたからそれはわかる。最後の瞬間はその時間の長さに違いはあれども痛み苦しみからは解放されるのだ。


 人間をそう作ってくれた何かに、そこだけは感謝したいと常々感じていた。


 もしかしたら俺が今ここでこうしているのはジョアンが痛みや苦しみを感じなくなっているため、という可能性も当然ながらある。


 だからこのままこの世界を離脱することになったら、元の魂の流れに乗って全てを忘れて次の生命に宿ることになるんだろうな、と俺は半ば覚悟した。


 まあそれも悪いことではない。


 だが、何もしないで全てを忘れてしまうのは……せっかく二度と会えない筈の妻にもう一度会える機会が巡ってきたのに、このままただ時間切れを待つというのは……それは嫌だ!


 最後に妻に会って、妻の笑顔を心に焼き付けてから心置きなく消えたい。


 最後に俺が見た妻の姿が涙を流しながらタバコをくゆらせる姿というのは……悲しすぎる。


 何か、何かないか。


 ここから出て、スタジアムも出て、とにかく遮二無二俺の家に戻る方面の車に何とか潜り込むか?


 そもそも少しの風でも流されてしまう俺の体は、車に上手く乗り込むことも難しいだろう。上手く車内の空調に繋がる吸気口に入り込めるかどうか。間違って燃焼系の吸気口に入り込みでもしたら、エンストさせてしまうだろう。窒素だから。


 それにはっきり言ってそこまで都合のいい車が見つかる確率は低い。何台かを乗り継がないといけないだろうが、乗り継ぐ間に風に飛ばされればまた戻されたところから始めなければならない。


 それよりも、せっかくトリッシュがお膳立てしてくれたのだ。


 ここに誰かを呼び寄せることさえできれば妻に電話してもらえるだろう。誰かを呼び寄せるその手段は?


 廊下を誰かが通りかかった時に、窒素の手で紙やタオルなどを煽り動かし、ポルタ―ガイストのような異変が起こってると知らせるか?


 それもアリだが、結局誰かがこの近くに来るかどうかが不確定すぎる。


 俺にとって残された時間はそれほどないと考えた方が良い。


 となると、多少穏便でない手段でも仕方ない。



 火災感知装置がこの部屋には付いている。


 熱感知タイプか煙感知タイプかはわからないが、ここで火災が起きたと誤作動させれば必ず誰かがこの部屋の中の確認に来るだろう。


 こういった公共の大型施設の場合、火災感知装置が作動すると最寄りの消防署に直接通報が行くようになっているから、消防車が出動することになるかも知れない。


 すまん、消防署の署員の皆様、ご迷惑をおかけします。

 誤作動ということでひとつご勘弁を。


 小会議室内の壁に掛けられた時計を見ると12時過ぎだ。


 外は明るい。丁度昼時だ。


 俺の葬儀は終わっているかも知れないが、葬儀後も妻は忌引で休みを取って遺品整理や諸々の手続きを行っているだろうから、仕事中で妻の携帯に誰かが連絡してもすぐ出れないということはない筈だ。


 やるしかない。



 俺はレーオくんから抜け出し、また窒素の体を形成し宿る。


 火災感知器は熱感知タイプにせよ煙感知タイプにせよ、感知器内部に入り込んだ空気をセンサーで感知して警報を鳴らす。


 トリッシュと転生前にあの謎空間で話していた時に、俺は「恨みを持った幽霊が確実に相手を殺す方法」として、毒ガスを体内に取り込んで相手に吸わす、という方法を取れるんじゃないかと言ったことがある。


 その時トリッシュはその方法自体を否定はせず、ただそれを実行する前にタイムリミットになるんじゃないかと言って否定していた。


 実際この窒素の体になってそれは実感している。空気の流れがないところでないと一定の場所に留まれないのだから、毒ガスを体に含んだとて、復讐対象のところまでの移動が難しい。


 だが、トリッシュは、空気の体に他の成分を含ませることについて否定していなかった。


 だから窒素の体に他の成分を含ませることは出来る筈だ。


 そして、俺は自分が宿っていると認識している体の内部なら、何となく俺の意思で操れる。レーオくんに宿っている時にレーオくん内部の窒素を膨らませたり縮ませたり出来たのだから。


 俺は忘れ物を入れた段ボールの前まで行き、物凄い勢いで両手を鬼〇郎ビンタのように振った。


 ホーム最終戦から2か月経った忘れ物からは結構な量の埃が舞い上がった。


 俺は舞い上がった埃を俺の体の腕から掌の部分に取り込む。


 俺の腕から掌の中で埃が渦を巻いて動いている。


 よし、いけたぞ。



 俺はふんわりと空中に舞い上がり、天井に設置されている火災感知装置に右手をかざし、火災感知装置を握り込む。俺の手の中で渦巻いている埃も俺の掌と一緒に火災感知装置の中に入り込んでゆく。


 さて、この入り込んだ窒素と埃を激しく動かさないと。


 煙感知タイプなら光学的に中の光線が煙で乱反射することで作動する。


 熱感知タイプなら、中の窒素と埃を激しく動かして摩擦で熱を感知する温度まで上昇させないと作動しない。


 煙感知タイプの方が作動は早いだろうが、熱感知タイプだろうと俺にとってはどちらでもいい。


 体の内部を動かすことで疲労を感じることはない。


 俺は火災感知装置を握り込んだ右手の中を激しく回転させる。


 NARUT〇の螺旋丸のイメージだ。


 やってやるってばよ!


 螺旋丸よろしく俺の右手の内部の空気が火災感知装置の中で激しく回転している。


 実際螺旋丸を撃てたらこんな苦労はしてないが。


 徐々に埃の摩擦で火災感知装置の内部の温度が上がっていくのがわかる。


 どうも煙感知タイプではなく熱感知タイプのようだ。


 どこまでもやり続けてやるってばよ!



 どれくらいそうしていたのか、ついに小会議室の外、通路に取り付けられた火災報知器のベルが激しく鳴り響いた。


 ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ……


 やってやったぜ! これで様子を誰か見に来てくれる。


 後は「何となく雰囲気で考えを伝える力」でレーオくんを家に戻して欲しいって伝えることができれば……


 と思うや否や、部屋に設置されたスプリンクラーと排煙装置が作動し、小会議室内に水を降らせ、小会議室内の空気を物凄い勢いで吸い出し始めた。


 やばい、また吸い出されスタジアムの外に排出されてしまったら、今度こそどうしようもなくなる!


 俺は必死でレーオくんに戻ろうとしたが、排煙装置は俺の家の換気扇なんかとは比べ物にならない勢いで会議室内の空気を吸い込んでいく。排煙装置という絶望が俺の体と共に室内の空気を飲み込んでいく!


 嫌だ! こんな、こんな下らない終わり方なんて!


 何とか吸い込まれないよう、室内の空気でわずかに窒素が多くなった部分を作りながら俺は必死に排煙装置に抵抗する。


 分子数個分の僅かな窒素の塊を瞬時に作り続け、そこに意識を移しながら必死に俺はレーオくんにじりじりと近づいていく……


 諦められるか!


 2度目の人生も含めてこれまで何度も何度も諦めざるを得ないことに直面してきた。諦めることが悪い事ばかりってわけじゃない。むしろ諦めて、結果的に良かったことだってある……


 でも、これは、この想いだけは諦められない!


 何でか解らないが巡ってきた、この妻にもう一度会えるチャンス、こればかりは諦める訳にはいかないんだ!


 俺が心底愛して、そして俺が死んだら心底悲しんでいるあの女性に、何も伝えないでこの世界を去れるかよっ!


 排煙装置の排煙速度と俺が僅かな窒素を作り移り続ける速さの競争。


 元々俺の体だった窒素はとっくのとうに排煙装置に吸い込まれている。今の俺は本当に僅かな窒素で構成され続けている。以前リューズが言っていたエルフの弓の秘密、射線に真空を作る、多分それに近い感覚で1m程下のレーオくんまで窒素を作り続けている。吸い込まれる前に辿り着ければ……  


 次から次へと排煙装置に吸い込まれていく俺の体の先のほんの僅かな窒素分子数個分がレーオくんのフェルトに触れた。


 レーオくんの中の空気は、俺が一度宿っていた時に殆ど窒素になっている。

 レーオくんのフェルトの隙間を、俺の窒素分子数個の体が潜り込み……


 俺の意識はレーオくんの中に戻ることが出来た。


 窒素の体を動かして疲れる筈もないのだが、俺は安堵したらドッと精神的な疲労が襲ってきた。

 まったく、火災報知システムを作動させたら排煙装置が働くことくらい最初に考慮しとけよな、俺。

 鳴り響く警報を心地よく聞きながら自分の迂闊さを自嘲する。

 こうして自嘲できるのも、無事レーオくんに戻れたからこそだ。



 しばらくまったりとしていると、通路をバタバタと人が走って来る音がする。


 ようやく警備員が様子を見に来たのだ。


 随分のんびりしていたな、と思ったが小会議室の時計を見るとほんの数分だ。


 警備員はドアのすりガラスの窓越しに小会議室内の様子を観察し、バックドラフトを起こさないよう炎が上がっていないことを確認した後に鍵を開け、中を見渡した。


 頼む、俺を家に戻してくれ!

 妻に連絡してくれ、頼む、頼む!


 警備員は確かにレーオくんとホワイトボードを見て表情を変えた。


 だが、すぐに踵を返しドアを開けっぱなしにして小会議室を後にした。


 俺は落胆したが、すぐに気を取り直した。


 とりあえずこの小会議室に火災が起こっていないのを確認した警備員は、火災報知システムの誤作動を止めに行ったのだろう。


 ドアを開けっぱなしにしているのだから、少なくとも閉めに誰かが戻って来る筈だ。


 焦らず待とう。

 焦らず、焦らず……

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