第78話 スライム騒動
村人たちの集会後の代官執務室での打ち合わせの後、俺はすっかり冷めた鍋料理を厨房で侘しく食べた。冷めても美味しいけれども。やっぱりきちんとダシを取った料理は旨いけれども。
ハンスは俺たちが代官執務室で話している間に、全ての村人を飲み潰していた。
「一番手こずったのはティモでしたよ。あいつしっかり食べて飲むし、途中で水飲んだりしてましたから、こういう飲み会で最後までしっかりしてる役だったんじゃないですかね」
顔は赤く、吐く息も酒臭いが、呂律も普段と変わらずハンスがそう報告する。
「ハンス、私はハンスの肝臓が一体どうなっているのか解剖して見てみたいくらいだよ」
「ハンスが酒に強いのは多分親から伝わったものですよ。リーベルト団長も酒には強かったですからね。騎士団の宴会では先に中座されるのが常でしたが、蒸留酒の瓶1本分を飲んでも普段と全く変わりませんでしたから」
「まーな、うちの親父は酒も水の様に飲むからな。俺も小さい時にそれを真似てえらい目にあったぜ」
「お前にも可愛らしい時があったとは意外だな」
「抜かせ。俺はけっこうりりしく可愛らしいと評判だったんだぞ、使用人たちからな」
ハンスとダイクのやりとりが俺をホッとさせてくれる。
「ハンス、ところで村人たちと飲み明かす中で、何か収穫はあったかい?」
「そうですね、殿下にとって有意義なのかはわかりませんが」
「ハンス、殿下じゃなくてデンカー坊ちゃん。村人みんな潰れてるかも知れないけど、万が一はあるだろ? 珍しく酔いが回ったのかい?」
「いや、これは失礼いたしました。では、デンカー坊ちゃん、改めまして」
そう言ってハンスは村人たちの生の声を教えてくれた。
今回参加した村人は半分以上は元自作農で、元小作農は「どうせ自分たちが参加しても、元自作農がデカい声で物事を決めてしまう」と思っており、多くは参加していない。
ここに来た元小作農はペーターが村長になったら今まで元自作農が幅を利かせていたこの村の状況が変わるかも、という淡い期待を抱いて参加していた様子だったそう。
元自作農からすると元小作農たちは自分たちを裏切ったと感じており、小作農が自立するきっかけを与えた王家やその代官に対しては潜在的に反発する気持ちがある。以前そこまで大きな農地を持っていなかった元自作農の中には気持ち的に元小作農に同情している者も何人かいるようだ。
また、獣人については今までフライス村にはいなかったので直接獣人を見るのはダイクが初めて、という村人は意外に少ないことがわかった。兵役に着いて騎士団麾下に入った事のある者は様々な獣人が騎士団の騎士や兵にいるのを見てきており、実は自分たちよりも身体能力が高く強いことは知っているので、獣人を見下す村の雰囲気はあってもそれにはあまり加担しないようにしている。
兵役に着いたものは元小作農が多く元自作農は殆ど兵役に着かないため、獣人に対する差別意識は元自作農の方が強く持っている。ただ、ダイクやドノバン先生、リューズにジャイアントボアから助けられた元自作農は感謝はしており、表立ってそれを表わすのは周りに遠慮してできていない。自分たちとは違う人種についての恐れや差別意識は払拭できていないが、ダイクやリューズ個人に対しては認めつつある。ダイクが配下にした雪狼たちは村人にとっては無害だということはわかってきたが、まだ信用はしきれていない。
ハンスはそんな内容を話してくれた。
うーん、酒の威力は絶大だな。随分と濃厚な情報が集まった。
村の運営についての村人同士の感情的な部分は静観するしかないが、ダイク達に対しての差別意識が薄れてきているのはいい情報だ。雪狼たちに対しての恐怖感も和らぎつつあることも。
「ハンス、凄いなあ。かなり濃い情報を聞き出してくれて有難いよ」
「なーに、大したことありませんって。ハールディーズ領に行ってる間飲めなかった分をここで取り返したようなモンですから。
ダイクを見て小声で話してる奴らってのは何か鬱屈したモン持ってるだろうってのもありましたし、情報収集が捗りましたよ。悪りーな、ダイク、お前をエサにしちまったけどよ」
「お前がエサになったら食った奴が腹壊すからな、可哀そうだししょーがねーよ」
「ああダイク、ダイクが温厚に誠実にやってきてくれたおかげで少しづつ村人の偏見が薄れてきたよ。ハンスが言ってたように耐えることも多かったんじゃないかと思うけど、本当に、本当にありがとう」
「デンカー坊ちゃん、私は騎士としてデンカー坊ちゃん始め王家の皆様にこの命を捧げております。言葉では私を殺せませんから、私は何を言われても平気ですよ」
「何だよ、ディルクに畑で嫌味言われた時はえらく怒ってたくせによ」
「私だって日々成長しているのだよ、ハンス君。君と違ってね」
ダイクがハンスに向かってお上品に言い返したぞ。素晴らしい切り返しだ。
「全く、オメーはよ、飽きさせない奴だぜ」
「只今戻りました」
そんな話をしているところに、それぞれエリックとマールさんを送って行っていたリューズとドノバン先生が一緒に戻ってきた。
この様子だと、エリックの家族の話に二人も混じって話をしてきてくれたのだろう。
「いや、村人の皆さん、盛大に酔いつぶれていますね。結局宴席で村長の話は有耶無耶ですか?」
「ええ。村長の件については少なくともマッシュが王都陳情から戻るまでは棚上げってことになりそうですよ。ティモにもペーターにも任せきれない状況ってことで。そちらはどうでした?」
「エリックは弟たちにきちんと気持ちを話して謝ったよ。弟のクルトとヨゼフもエリックの気持ちは
リューズがそう言うとプイッと横を向いた。
うわあ、まだ怒ってる。本当に俺は調子に乗って回るこの口をどげんかせんといかん。
「マールさんも色々と言いたいことはあるのでしょうが、ひとまずそれは置いてエリックの気持ちを受け止めようとしてくれました。弟たちもエリックのことは何だかんだで慕っているようですから、これからはエリックの家の雰囲気も和らぐのではないでしょうか」
酔い潰れて死屍累々の村人達を片付け終わったピアも厨房に来て、コンタクトレンズを落とした人の目でドノバン先生をジトーッと見つめている。
「ドノバン先生、マールさんから相談は受けたりしませんでしたか?」
俺は恐る恐る聞く。ピアに口を滑らせて、変に嫉妬を煽ってしまったからな。ここで口火を切っておかないと、何かあった時にドノバン先生がピアに精神的に殺られかねない。
「マールさんも旦那さんを亡くしてしまって、非常に不安はあるようですね。私たちが話したエリックの味方になって話を聞いて欲しいというのも、ある意味マールさんのこれまでを否定するような一面はありましたから。でもこれから悩んだりした時は女同士ピアさんに悩みを打ち明けても良いのではないか、とお伝えしてきましたよ。男の私よりも女性同士の方が話しやすいでしょうから」
「ドノバン先生、私の居ないところでそのようなことを言われても……私は孤児でしたし、とてもマールさんのような農家の奥方の悩み相談に乗れるとは思いませんが」
ピアが、ドノバン先生の意外な対応に少し自信なさげに返答する。とりあえずピアのドノバン先生への浮気疑惑は晴れたようだ。
「エリックが飛び出して取り乱したマールさんを上手く落ち着かせて下さったのはピアさんでしょう?
あのように普通にマールさんとお話されれば良いのですよ。マールさんも料理を教えたピアさんにはかなり気を許しているようですから。話を聞いてあげるだけで、気の利いたアドバイスなんて考えなくても良いのですよ。そういう愚痴など話せる相手がいるということが大事なんですから」
「そうだよピア。マールさんと一緒に何か作業するだけでもいいんだよ。一人って色々考えこんでしまうからね」
「わかりました。ではマールさんのところには日々時間を見て顔を出すようにいたします」
「うん、ピアもよろしくね。じゃあ夕食食べてない人は食べちゃって。私は少しいつもより時間が遅いけどお風呂を沸かしてくるよ。ハーマンがここに来てお風呂に入るのを楽しみにしているようだから」
そう言って三々五々解散となった。
「うわあああああ!」
次の日の朝、俺は村人のあげる叫び声で起こされることとなった。
「ぬおおおお、なんじゃこりゃあああ!」
「おおおいあっちへ行け!」
阿鼻叫喚の叫び声はどんどん増えて行く。
何事かと思い広間を見に行くと、床には昨晩の騒ぎで暗くて見落としていた食べこぼしや、酔いつぶれた村人たちが吐いた
今も自分の
「大丈夫ですよ、生き物には危害を加えませんから」
ピアがそう言って一度たらいにスライムを回収していく。
ピアが落ち着いてスライムを回収していく様子を見ていた村人は半信半疑ながら落ち着いて行くが、その一方では目を覚ましてスライムを見て叫び声を上げる村人が居て、これは全員起きないと落ち着かないな。
焦ってスライムを踏みつぶそうとしている村人がいたが、踏みつけるたびにスライムはびにょーんと横に広がるだけで、足を離すとまた元に戻る。
俺はそのスライムを拾い上げ、「大丈夫ですよ、皮が破けて中身が出ない限りは生き物に害はないみたいですから」そう言ってスライムを回収していく。ドノバン先生がたらいを持ってきてくれたので、そこにスライムを次々に入れて行く。
ドノバン先生やハンス達もスライム回収を手伝ってくれて、それほど時間を取らずに広間のスライムは5つのたらいに回収された。
ピアはフデの檻の中にスライムを3匹ばかり戻しておくと「殿下、お風呂そうじをスライムたちにしてもらいましょうか」と言ってスライムの入ったたらいを風呂場へ持って行こうとする。
「ピア、それは後で私たちがやっておくよ。ピアはその前に皆さんをお風呂場に案内して、残り湯で済まないけどぬるま湯と石鹸で顔を洗ってもらうようにしてもらえないか? ちょっと皆さん汚れがひどいから」
「承りました」
ピアはそう言うと入り口の扉をバーン! と開け、広間の中に向かって叫んだ。
「皆様! 昨夜のお楽しみが夜の間に口から出ておられる方が多く見受けられます! 昨夜は昨夜、今日は今日! 昨夜のことを忘れ新たな一日を踏み出すためにも顔をお洗い下さいませ! 石鹸も用意してございます! タオルも用意いたします! さあ! こちらにお並びくださいませ!」
そこには一人の女傑が立っていた。
女傑の勢いに飲まれ村人たちが女傑の前に2列になって整列する。
昨夜難物そうだったティモとペーターも、目を白黒させながら列に並ぶ。
「ドノバン先生、こちらにタオルを人数分! デンカー坊ちゃん、入り口横に洗濯籠を! ハンスさんダイクさんはテーブルに厨房から鍋を運び、器とハシ、フォークを人数分用意! リューズはペパーミント茶の準備、さあ、さあ!」
俺たちは女傑に急き立てられ、急いで準備をした。
「皆さま! これからご案内いたします! 使い終わったタオルはこの籠に! 洗顔が終わった方はテーブルに朝食を用意してありますのでそれを召し上がって下さい! では出発!」
ピアはドノバン先生から人数分のタオルを受け取ると、村人を先導して風呂に向かった。
「ドノバン先生、ピアってあんなに威厳がありましたっけ……」
「私にはいつものピアさんでしたけどね。きちんとご自分に課された役割を全うしようという」
「そうなんですかね……」
「ピアさん、ジョアン達が居ない間もしっかり自分で色々できることはやろうとしていたからね。『男子三日会わざれば刮目して見よ』だよ。ピアさんは女性だけど、ジョアン達が居ない間はここをしっかり守ろうとして頑張ってたからね」
お茶の用意をしながらリューズがそう言う。ことわざ部分は日本語だ。
俺がいない一か月の間、フライス村に残った皆にも色々とあった、そういうことなのだろう。
しかし、今後はあまりピアを怒らせないようにしよっと。
「デンカー坊ちゃん、せっかく戻したスライムですけど、今のうちに床掃除してもらっちゃいましょうか」
そう言ってドノバン先生はたらいのスライムを吐瀉物が多い床に戻した。
俺もポーイポーイとスライムをたらいから取り出して床に放った。床に落ちたスライムは一度バウンドするとピトッと床に張り付く。
しかし元々暗き暗き森で捕まえてきたスライムも随分と増えた。結構繁殖力があるみたいだな。
「ドノバン先生、スライムも随分と増えましたね」
「ええ、分裂して増えるので、一度増えるとけっこうすぐに多くなりますね。実は教会のルンベック牧師に乞われて、何匹か教会に渡しています。排泄物をスライムに処理してもらっているようですよ」
ドノバン先生とそう話していると、客間の扉が控えめに開き、ハーマンが顔をのぞかせた。
「デンカー坊ちゃん、私たちも部屋から出て大丈夫ですか?」
「ハーマンさん、おはようございます。全然出てきていただいて大丈夫ですよ」
「朝っぱらから村人たちの阿鼻叫喚を聞かされ何事かと思ったらピアさんの号令ですからね。ピアさんはデンカー坊ちゃんの留守中はこの屋敷を預かっているのだと気を張っておられたのでね。私たちに乱暴な口を利いたりはしませんが、何と言うか迫力があって、従わなければいけないという気になるのですよ。ですから今出ても良いものかと……」
「そうだったんですね。床に散らばった食べ残しをスライムが処理しようと広間に沢山出てきていて、それを見た村人たちが驚いてしまったんです。それでピアが村人たちをお風呂場に誘導して顔を洗ってもらっているんですよ」
「そうでしたか……なら私たちも広間に出て大丈夫ですね。男爵にもそのように伝えておきますよ」
そう言ってハーマンは部屋に引っ込んだ。
代官の男爵一行までビビらせるピア。うーん、改めて怖い子。
その後顔を洗った村人たち、マッシュ達代官一行に昨夜の鍋にウドンを入れ煮込んだ朝食を振る舞った後、9時前には皆出立していった。
代官のマッシュには第5騎士団宛に西の森の調査要請を出すことを改めてお願いしておいた。
さてさて、今日からの作業予定はどうしたものか。
ハールディーズ領に俺が拉致される前に作ろうと思っていた炭焼き窯については、フライス村に残っていたダイクとドノバン先生がコツコツと作業を進めて完成させておいてくれたようだ。
作るに当たって説明しておいた、炭焼き時に出る燃やした煙を集めて冷やし、木酢液を集める装置も作ってくれてある。
一度試しに炭を焼いて試験をしており、炭も問題なく焼き上がり、木酢液も取れたという。
「ダイク、ドノバン先生、ありがとうございます。炭焼き窯を作った材料って、まだ余ってますか?」
「ええ、まだモルタルもレンガもありますよ。移住者を受け入れてからもう一つくらい炭焼き窯を作るおつもりかと思っていましたが、そうではないのですか?」
「ええ、材料を発注した時はそう考えていたんですけど、ハールディーズ領に行って魚の練り物を作って、これも何とかフライス村まで持ってこれないかなって考えた時に思いついた設備がありまして。
この辺りって王都よりも冬の雪は多いんですよね、確か」
「ええ、毎年30~50cmは積もると聞いていますが」
「その雪を集めて、夏くらいまで貯めておく氷室を作りたいんです。王家の畑の端っこが確か草に覆われてますけど崖みたいになってたと思います。あそこに横穴を掘って雪を溜めて置けるようにしたいんですよ。横穴の中は土魔法で固めれば崩れないと思いますし、横穴の入り口はレンガを積んで扉を作れば行けるんじゃないかと思うんですよ。ベルシュでジュディ夫人にも氷室の話はしておいたので、もしかしたらハールディーズ家でも作ってくれるかも知れませんが、自前で持っておけばここに来たライネル商会の者に使って貰って、何とか練り物も調達してきてもらえるんじゃないかと思うんです」
「でしたら炭焼きの試験焼きはひと段落にして、氷室作りを始めましょうか」
「ええ。次の作業は氷室作りということで。
それで、そろそろ作物の収穫期に入ると思うんですが、全部の王家領の畑を私たちで行うのは無理ですけど、エリックが分担している王家領の畑の収穫は手伝って作業を覚えたいんです。エリックの分担している畑以外でも収穫が遅れているところは順に手伝いたいですし。エリックは王家領の畑を週4日世話しているということなので、エリックが作業している4日間は日中エリックについて農作業を覚えて、残りの3日を使って氷室作りをします」
「農作業ですか。けっこう毎日大変そうですが、今後のことを考えれば知っておいた方がいいでしょうね。理由はどうします? 商人身分ということにしてある私たちが農作業を手伝うというのも少し変ですよ」
「新製品の農機具を開発するための研究の一環ということでどうでしょうか」
「でしたら、村人たちに聞かれたらそう言っておきましょうかね。代官のバーデン男爵はもう帰られてしまいましたが、後程バーデン男爵からも同様の通達を出していただき裏打ちしてもらいましょう」
ドノバン先生がそう言ってマッシュに話を通しておくことを指摘してくれる。危ない、思いついただけで必要な手続きを忘れるところだった。
「今からなら雪狼を走らせればクリン村への街道の途中でマッシュたちに追いつけると思うので、私が雪狼に乗って追っかけてきますよ」
ダイクは最近雪狼のボスかバロンに乗って森に入って行く。ちょっと憧れるな。
「それと、エリックの件でちょっと考えたのですが、エリックや元小作農の子らって、文字の読み書きと計算の仕方を教えて貰ってないんですよね。それもあって村長職に就ける者が限られてしまっている訳ですが……ですから農作業が終わってからの夕方から夜にかけて、勉強したいって希望がある人を集めて代官屋敷で勉強会を開きたいんです。読み書き計算ができる人が多くなった方が、村長候補が多くなってよりふさわしい人が選びやすくなる他、多分日々の暮らしでも役立つようになると思うんです。教材はそれほどないんですが、やってみたいんですよ。ドノバン先生だけでなく皆の力も借りないといけませんが、面倒だけどやって見ませんか」
「それ、まだ日があるうちだったら、勉強だけでなくて簡単な身の守り方なんかも教えてもいいんじゃないですか。けっこう魔獣も出るようですし、戦う、まで行くと無鉄砲に魔獣に突っかかって行って怪我するはねっ返りも出るかも知れませんけど、身を守る手段は覚えていた方がいいと思いますし」
ハンスがそう言って賛成してくれる。
「そうですね、私が頑張って私たちの夕食は早めに用意しておけば良いですし。エリックたちが勉強をここでするなら、マールさんに手伝ってもらって一緒に夕食を作ってここで夕食を召し上がってもらってもいいですしね。
私も読み書きと計算を習い出してまだ1月ですから、他の子に負けないようにしないと」
ピアも賛成してくれる。
「ボクも人に勉強を教えるのって、自分の考えの整理にもなるからね、いいよ。やってみようよ。大勢で集まるなんて楽しそうだしね」
リューズも賛成してくれる。リューズも今まで村の子供たちともそれほど交流は無く、俺たちとだけ過ごしていたから多少の寂しさはあったのかも知れない。
「勉強会の件もマッシュのお墨付きをもらった方が良さそうですね。デンカー坊ちゃんが書状を書いて下さったら私がすぐに行ってきますよ」
ダイクがそう言って催促する。
「うん、皆ありがとう。じゃあマッシュに書状を書くからダイク、ひとっ走りお願いするよ」
俺はそう言って自分の部屋に戻り、ダイクに持って行ってもらうマッシュ宛の書状を丁寧に書き上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます