Ⅵ章 空トノ繋ガリ

-夢の中のハックルベリー。

 変わり果てた国のことをフレンドに問いかける。


ハック  「なぁ。俺が旅してる間に何があったんだ?」

フレンド 「どうもこうも、見ての通りさ」

ハック  「これが、俺の故郷だっていうのか?」

フレンド 「ああ。俺たちの故郷さ。時代の変化って奴さ」

ハック  「…間違ってる」

フレンド 「ハック?」

ハック  「間違ってんだよ。俺は認めないぞ。こんなの」

フレンド 「おい。どうする気だよ?」

ハック  「さぁな。まだ何にも考えてない。でも、絶対このままにはしておかない

     ぜ」

フレンド 「…」


-姿を消すフレンド。

 廊下を歩く弐っちゃん。リアルソルトとジョナゴールドが続く。


弐っちゃん「じゃあ、さんきゅうさん。先に部屋行ってます」

さんきゅう「分かった。僕もすぐに戻るから」

弐っちゃん「はい」

ソルト  「ちょっと!もうこれで1週間よ。いつまでこんなところで機械みたいに

     働くつもり?」

ジョナ  「何か気になることでもあるのか?」

弐っちゃん「え~と…、内緒!」

ソルト  「ああ、ちょっと!」


-ハックルベリーの虚構意識。ネズミとコウモリが入ってくる。


ネズ&コウ『ハック!』


-ハックに駆け寄る二人。しばらくして目を覚ますハックルベリー。


ハック  「う、ううん…」

ネズミ  「ハック!」

コウモリ 「よかった~。無事で」

ハック  「うん?ああ、二人ともどした?」

ネズミ  「どした?じゃないわよ。すんごい心配したんだから!」

コウモリ 「あいつらに何かされなかった~?」

ハック  「あいつら?…ああ、そうか!またドジって捕まったんだっけな」


-ひとしきり身体を動かすハック。


ハック  「うん。何ともないみたいだ」

ネズミ  「ほんとう?」

ハック  「おお!目覚めもすっきりだ!」

コウモリ 「確かに。さっきも気持ち良さそうな寝顔だったわね」

ネズミ  「いい夢でも見てたの?」

ハック  「夢か。…ああ、今まで何度も見た夢だけど、何度見てもいい夢だ」

ネズミ  「何度も?」

ハック  「ああ。いつも必ず同じ所から始まって。同じ所で終わるんだ」

コウモリ 「同じ所で?」

ハック  「ああ」

ネズミ  「じゃあ、その後どうなるかはずっと分からないの?」

ハック  「ああ。分からない。でも、別に分からなくても、…いや分かりたくない

     のかな」

ネズミ  「え?」

ハック  「何でもない。さて、今日はどうしようかな?」


-弐っちゃん・リアルソルト・ジョナゴールドが部屋に戻ってくる。


ソルト  「ちょっと!はぐらかさないで教えなさいよ」

弐っちゃん「内緒ったら内緒!…あれ?」

ネズミ  「え?誰?」

弐っちゃん「こんにちは!」

コウモリ 「え!ちょっと何なのよ!」

弐っちゃん「まずは、あいさつです。こんにちは!」

ハック  「こんにちは」

コウモリ 「ちょっとハック!何挨拶してんのよ?」

ハック  「いや。とりあえずまずは、あいさつだろ。初めましてかな。俺はハック

     だ」

弐っちゃん「弐です。弐っちゃんって呼んで」

ソルト  「ねぇ、あの二人」

ジョナ  「ああ、そらびとだな。しかも二人もか」

ソルト  「相当ぶっ壊れた奴みたいね」

ネズミ  「ちょっと!そこのおかしな格好の二人!今ハックの悪口言ったでし

     ょ!」

コウモリ 「何ですって!」

ソルト  「あら、いい耳してるのね。でも、おかしな格好というのは聞き捨てなら

     ないわね」

コウモリ 「何よ!やろうっての!」

ソルト  「売られた喧嘩は買うわよ」

ネズミ  「上等よ!」

ジョナ  「おい!やめろって」

ハック  「二人も落ち着けつて!喧嘩なんてするな」


-騒ぎを聞いてバジルとペッパーがやってきてしまう。


ハック  「やべえ!聞かれたか!」

ソルト  「あれ?あんたたち」

ハック  「二人とも逃げろ!」

ネズミ  「でも、そうしたらまたハックが!」

ハック  「俺は大丈夫だ!信じて待っていてくれ!」


-躊躇いながらも逃げるネズミとコウモリ。


ハック  「おい。弐っちゃんだっけか。君も危ないから離れてろ!」

弐っちゃん「え、は、はい!」

ソルト  「何か厄介なことになっちゃったわね」

ジョナ  「一度退散するか」


-姿を消すリアルソルトとジョナゴールド。

 バジルとペッパーに薬を打たれ倒れるハックルベリー。

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