第5話

結論から言おう、カスであったとッ!!


いや、モノ自体は割とアッサリすぐ売れた。

多少買い叩かれた気がしなくも無いが、元の価格を調べて参考にしたので充分許容範囲だったはず


問題はその後だった。


調子に乗った俺は、儲けた金でかつて腐女子の間で大ブームになった声優アニメのキャラクターグッズを買い占めに走った。


それを二期放送発表に合わせ、箱売りで価格を吊り上げ一気に売りに出す。


所謂、転売というというやつである。


分かってる、最低な奴だって言いたいんだろ?


俺だって1/100スケール期間数量限定νガンダム〔チタニウムフィニッシュ〕が転売屋によって買い占められた時は殺意の波動に目覚めたよ。


だが安心して欲しい、

この話には続きがある。


何と腐女子達はとっくに時期遅れの声優アニメに見切りをつけ、みんなして元の沼を離れていたのである。


栄枯盛衰とは言ったもので、

今は新アニメの目隠した白髪作中最強ドSキャラに夢中で、かつてのアイドル並に人気のあった声優ファン御用達下ネタリメイクアニメは見向きもされなかった。


オマイラ俺様口調で狐目でドSキャラだったらなんでも良いんか⁉︎


こうして俺の部屋は、似た顔が六つもあるキャラキーホルダーの在庫段ボールで溢れ返った。


どいつもコイツも同じ顔で、見てるとゲシュタルト崩壊起こしそう…


いかん、せめて損切りせねば

俺はその在庫を赤字覚悟、原価の六分の一でなんとか吐き切った。


ここで辞めておけば良かったのに、愚かな俺は負け分を取り返そうと躍起になり、なんと次なる獲物に目を付けてしまった。


次こそは間違えないようにと確りリサーチを行い、SNSで人気を博しあの超大手広告会社の企業案件も獲得した、動物をモチーフにした妙に気持ち悪くて愛嬌があるんだかないんだかよく分からないキャラ物に手を出してしまったのだ…。


次こそは大丈夫だ

何たって何度もブームを作り出してきたあの電○案件だからな、

そう思ってた時期が僕にもありました…


俺は大船に乗った気分で有り金全部ベッドした。

男なら潔くドカンと一発大勝負、ですよね班長。


だがあちこち回ってグッズを買い占めた日の夜、その企業のステマ案件が大量に発覚し、ネットでは過去類を見ないほどの大炎上を巻き起こした。


結果、その案件は黒い消し炭となり、ブームどころか5ちゃんなどのあらゆる掲示板で壊れた玩具と成り果ててしまった。


こうして、最終的に俺の手元にはメルカリで儲けた108円と大量の在庫だけが残った。


親父からは

「せっかく綺麗にしたのに何でまたゴミ増やしてんだ」と言われた。


ハハ、ファーーーーーーーーーーーーーーック!

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