あいにじょう

@ignire

第1話

太陽が一日のなかで一番近くなる。キラキラ自信ありげに光る太陽を憎らしく、また、羨ましく、おもいながら。高架下で、僕はまた、今日、一人で空を見上げる。


    もう、彼女は隣りにいない。


17さいの高校生、 スポーツ大好き、みんなと遊ぶの大好き、周りから羨ましがられるような完璧ボーイ と思われているはずだ。僕は体面を守ることに全力を注いでいる。ひたすらに努力した。幸い努力が報われるぐらいの才能はあったらしく、高校もトップクラスの公立校に

入れた。


ある日、川沿いで、部活のランニング中、見知らぬ女の子が僕の目の前で派手に転んだ。

僕は驚いたが、部活の仲間に良いところを見せたくてその子に駆け寄った。

「大丈夫ですか。」

その子は照れ臭そうに、

「大丈夫です。ありがとうございます。」

という。しかし、足はアスファルトに擦って、血だらけだ。

「向こうに消毒できるものがあるので待っていてください。」

部員は先にいかせ、僕はその子の手当をした。

初めてその子に出会ったときエピソードだ。有り体と言えばそうだが、僕にとっては大事な思い出だ。

それをきっかけに僕らは仲良くなった。その子は、18さい、近くの専門学校に通う普通の女の子だった。

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