2021/04/05

階段

 目の前に段があるから、のぼり続ける。たったそれだけだったのに、いつしか人々は私を見て褒め言葉ばかりを口にするようになっていた。

 もっと私を見て。認めて。

 のぼる必要のない階段を探し、かけあがっていく。私を見て笑っていた人々は、そのうち困惑し、腹を立てて、いなくなる。

『どうしてのぼっているの』なんて。意味を、理由を与えたのは、あなたたちなのに。



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この小説は作者Twitterに掲載しているものです。

原文は下記リンクより。画像化しているので、また違った印象になると思います。

https://twitter.com/write_cantabile/status/1379055457696813059?s=20

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